【第25回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、Analyze分析フェーズで何するの? (その6)

【 プロセス分析とデータ分析から真因を特定する 】
 Analyze 分析フェーズのまとめです。プロセス分析とデータ分析から、プロセスの改善ポイントや真因を特定する方法について紹介します。デジタル化も進んでいるので、ここまでのデータと分析結果をAIに送り、コンピュータで自動判別してもらえるとよいですが、、、ここはアナログ方式のYG(ワイワイ、ガヤガヤ)方式を使います。
 既に「プロセスマップ分析」、「LEANツールを用いたムダ分析」、「データ分析、グラフ分析」を通じて、対象プロセスの悪さ加減、改善ポイント、原因のいくつかは確認できました。分析フェーズのまとめでは、3つの分析をまとめて、「特性要因分析(Cause & Effect analysis)」を行います。この分析の目的は、プロセスとデータとムダ分析の結果を統合して、全体感として漏れがないか、改善指標Y=F(Xs)をイメージしながら、6M分析を行うものです。

【 特性要因分析、6M分析 】
 プロジェクト開始時、定義や測定フェーズで、チームメンバーとブレインストーミングは何度か行いました。そのブレストの結果も使います。ゼロからではなく、これまでに作成した結果を6Mに分類し、分析フェーズで発見した内容を加えていくイメージです。プロジェクトによっては、先に6M分析を行い、それに基づいてプロセス分析やデータ分析を行う場合もあります。いずれにせよ、QCツールの1つである特性要因図分析(魚の骨を使った分析)は、とても有効です。

<図25-1 特性要因分析、6M分析>

 初めて使う方もいるので、特性要因分析(C&E analysis)、6M分析について説明します。<図25-1>に示すように、魚の骨の頭の部分に影響(改善指標のY)を書きます。この事例は「生産工程のリードタイム改善」です。対象プロセスのリードタイムがY(KPI)なので、「リードタイムが長い」と記入します。背骨を中心の6本の大骨を描き、それぞれにタイトルを書きます。このタイトル項目が6種類で6Mと言います。(Men=人と、時代を感じる項目・表記があるけど、ここは我慢しましょう)その下に、各項目に相当する原因を記入していきます。6M項目は生産工場で用いるときにピッタリで、間接部門や営業プロセスでは項目を書き変えて使用します。

  • Men(People)人間系:人に関する項目です。コミュニケーションや人員配置、作業員スキルなどの問題があれば、ここに記入します。組織やトレーニング関連もここに入ります。
  • Method 方法プロセス:品質システム、ワークフローや作業方法に関する項目です。手順、ルール、ミス、逸脱、プロセスの複雑性などはここに入れます。
  • Machine 機械:製造ラインだと機械そのものに関する項目です。製造ラインスピードや機械自体に発生する事柄、マシントラブル、機械の老朽化、技術的な内容が入ります。
  • Material 材料素材:6Mは製造主体に作られているので、原材料に関すること、素材品質や調達などに関することがここに入ります。生産計画は方法とこの素材の両方に入り、その場合は両方に記載し、あとで調整します。
  • Mother nature 環境・設備:環境はEnvironmentで、この英訳は6Mにするためのものです。作業環境、設備、広い意味の環境、最近ではSDGs、競合他社、需要、さまざまな環境要因を記入します。
  • Measure 測定方法:製造主体の分析で、データの測定方法や測定誤差がKPIに影響していることがあれば、ここに記入します。過去の計測はアナログや手作業がメインで誤差がありました。現在はデジタルでデータは自動収集されます。ムリに原因を記入する必要はありません。

 6M項目は製造の場面ではこれを良く使いますが、間接部門、営業サービスでは使いにくい項目です。6M項目は無理に使う必要はなく、皆さんがブレインストーミングでつかった項目を大骨として使うこともできます。

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