医薬品のモノづくりの歩み【第5回】

医薬品の「モノづくり」で求められる現場力

 医薬品製造において、顧客の信頼を得るためには、工場の品質(Quality)、生産性(Cost)、安定供給(Delivery)を高めて、「モノづくり」のパフォーマンスを最大化することでした。では、工場で働く従業員の皆さんに求められることはなんでしょうか?
 それは、現場で発生する様々な問題や課題に対して、速やかに且つ的確に対応する「問題解決力」、つまり「現場力」と考えます。

 嘗て、医薬品産業も我が国の「モノづくり大国」「技術立国」を支える基幹産業でした。製品の美しさ、機能性、高付加価値製品を作り出す創造力や技術力を高め、グローバル競争に打ち勝つために生産の効率性を追求して、常に良いものを生み出していこうとする改善意識を養ってきました。
 いつしか、第1回の連載でも触れましたように、薬機法改正を主とした医薬品製造を取り巻く環境変化に伴い、医薬品産業の構造変化をもたらし、「モノづくり」の基本要素であるQCDのウエイトバランスに変調をきたすようになってきました。
 それに伴い、これまで経験したことがないような様々な問題や課題が発生し、その結果、生産のみならず企業そのものが、顧客の信頼を損ねる結果を招いていることは否めません。
 医薬品製造を担う工場の従業員皆さんにとって、日々その対応に追われている現状から、改めて医薬品の「モノづくり」に対する信頼を得るためには、これまで培ってきたことに加え、様々な問題や課題に的確に対応する「現場力」が必要になってきていると考えます。
 現場力を発揮すること、それはまず、製造現場で逸脱やトラブルに繋がるような通常とは何か違うと感じることや何かおかしいと思うことが発生した場合、速やかに上長やマネージャーに報告することからはじまります。
 報告を受けた上長やマネージャーは、机上ではなく、実際に現場で現物を観察し、現実を確かめる三現主義に基づいて、正しく状況を把握します。
 そして、従業員と上長、マネージャーは、その問題が発生した原因を追究し、一緒になって対応策を検討し、再発防止を図ることに取り組みます。
 これが、今、正に、医薬品工場の「モノづくり」に対する信頼を得るために求められていること、つまり、工場組織が、そして、従業員とマネージャーが一体感のある現場力を発揮すると言うことです。
 従業員と上長、マネージャーの一体感のある現場力とは、図-1に示したように、従業員から上司へのタイムリーな報告・連絡・相談(報連相)、品質確保のための自発的な行動と改善提案、そして、上司やマネージャーの適切な状況把握に基づいた的確な指示や指導と言った、双方向の円滑なコミュニケーションにより相互理解を深め、一体感を持って問題解決にあたる現場力なのです。

図-1 工場における一体感のある現場力

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