全身性抗菌薬の微生物学的データ:開発、分析および提示に関するガイダンス (FDA)

2016/12/01 製造(GMDP)

Ⅰ. はじめに

FDA は2016年8月に、Microbiological Data for Systemic Antibacterial Drug Products - Development, Analysis, and Presentationというガイダンスを発表した(原文:http://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/UCM182288.pdf)。これは、FDAの現在の考え方を表しており、抗菌薬の開発、分析および提示に関する微生物学的データのスポンサーを支援することを目的としている。
一般的に、FDAのガイダンスには法的強制力はないが、トピックに関する当局の現在の考え方を説明しており、特定の規制や法的要件が引用されていない限り、単なる勧告として受け取ってよい。


Ⅱ. 微生物学開発プログラム
 
A. 開発初期 (非臨床) に考慮すべき事項
 
・抗菌活性のスペクトル
活性成分や主要な代謝産物を含む、抗菌薬の活性を評価すること。また、抗菌薬の評価が出来るように、十分な臨床データを提供すること。
 
・活性メカニズム
治験薬の作用機序を評価し、薬物の化学構造や、既知の抗菌薬と構造的・生物学的にどのような類似性があるかの情報を提供すること。
 
・細胞内の抗菌薬濃度評価
抗菌薬にとっては、細胞内で十分な濃度になることが、臨床的に重要である。そのため、宿主細胞内への浸透能力を提示し、標的としている微生物に対する活性を実証すること。
 
・耐性の研究
耐性のメカニズムの特徴と分布は、その薬の潜在的な臨床的有用性を示している。新規の活性メカニズムを伴った抗菌薬の作用や耐性、交差耐性のメカニズムの詳細な情報は、初期の治験新薬申請には利用出来ないことがある。この種の情報は医薬品開発の初期、理想的にはフェーズ2の開始前に提供されること。

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執筆者について

冨樫 将高

経歴

2007年生命理工学部、修士課程卒業、2010年薬学系研究科、博士課程を卒業、同年大塚製薬株式会社に入社。診断事業部研究部にて、結核の体外診断薬開発に従事。2012年株式会社シーエムプラスに入社。
国内外のGMP・生化学に関する情報収集、主に専門的分野の翻訳、社内での教育等を担当する。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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