GMP教育訓練による品質保証力の向上

~現場の意識づけとQuality Cultureへの取り組み~

2021/09/23 品質システム

GMP(医薬品) 教育訓練 Quality culture 品質システム

製薬企業にとって品質を守るには人材への教育が欠かせません
効果的なGMP教育訓練とはどの様な考えのもとに行われるべきか

講演者

株式会社ミノファーゲン製薬
顧問 脇坂 盛雄 氏

日程

2021年12月07日(火)10:30-16:30

受講形式

オンライン/オフライン

開催場所

みなとみらいグランドセントラルタワー6階 シーエムプラス本社 セミナールーム

開催概要

 
●受講料(昼食付):1名46,200円(税込)
          1社2名以上同時申込の場合,1名につき35,200円(税込)
●申込締切り:2021年11月29日(月) 15時まで
●講演資料:テキストを用意し、当日配布いたします。
よくあるお問合せ一覧はここをクリック
 


■Web受講(Live配信)の場合:
●受講料:1名46,200円(税込)
       1社2名以上同時申込の場合,1名につき35,200円(税込)
●申込締切り:2021年11月29日(月) 15時まで
●講演資料:テキスト郵送(郵送料金は受講料に含む)
Web(オンライン)セミナー申込要領を必ずご確認ください。
 

■セミナーポイント
 医薬品の品質保証は仕組み(システム)によるところが大きいのは、皆さんもよく理解されていることと思うが、さらに重要なのは、作業員一人ひとりの「良い医薬品を造りたいとの思い」と「質を高めること」に尽きる。福井県の製造所での健康被害発生でも、QCとQAの質が高ければ防ぐことができた事例だった。OOSの理解と運用、データの見方など、気づくチャンスをことごとく見逃していることが見受けられる。「では、どうすれば良いか?」となると、なかなか明確な答えを出せずに、各社それぞれ試行錯誤されていることと思う。
 本セミナーでは30年間、医薬品の品質管理/品質保証を担当し、その経験から学んだことや、GMPの品質保証に上乗せして製造で品質保証を行う仕組みの導入、さらに一人ひとりの知識と感性による品質保証が大きな現場力となることなどについて解説したい。また、それを行うためのマネジメントや教育訓練について過去の偽造、偽証やミスを題材にしながら説明する。さらにGMP省令改正についての骨子を紹介し、その対応と教育訓練についても説明する。
 最近では、PMDAがGMPについて厳しくチェックしていることによって製品回収も増えている。無通告査察では、承認書との齟齬、改ざん、偽造していないかの視点で、ゴミ箱を見ていた。今は現場に直ぐに入り記録を確認しているようである。そしてQCではOOSと安定性試験を確認している。これまで以上にGMP遵守が重要になってきているが、いまだに不正が行われている。この対応策についても述べる。

■習得可能な事項
・医薬品の品質保証の全体像
・人の教育訓練の方法とマネジメント
・品質保証の注意すべき点
・偽造/偽証を防止する方法
・作業の注意項目
・品質保証の考え方

■セミナーキーワード
GMP、教育訓練、品質保証、偽造防止、SOP、Quality Culture、品質トラブル事例

■セミナー項目
はじめに
 1)教育訓練の重要性とSOPを順守することの功罪
  ・マネジメントの重要性(経営層の考え方)
  ・性悪説(GMP)に基づく品質保証の仕組み作り
  ・性善説に基づく風土創り
 2)GMP製造所に対するPMDAの視点(最近のトピックから)
  ・PMDAの査察から製品回収24品目
  ・環境モニタリング不備で多くの製品が回収

1.エラーはどうして起きるか
 1)人
 2)方法
 3)環境/設備
 4)マネジメントエラーの考えと対応

2.大事故から学ぶこと
 1)トレーサビリティの不備&知識不足が引き起こした食中毒
 2)人のミスと見えて実はその背景に
         ミスを引き起こしやすい要因があった飛行機ニアミス
 3)SOPミスによるトンネル内火災事件と反省を次に生かす
 4)人に優しくしないことが引き起こした列車脱線事故
 5)津波による原発事故の想定外と片付ける危険
 6)設計段階でリスクをどれだけ低減するか

3.偽造、隠ぺいの事例
 1)品質(偽造・隠ぺい)問題が経営に影響
 2)ルール無視を放置したことによる船建設中の大火災
 3)知識不足とルール違反が引き起こした臨界事故

4.医薬品産業での偽造、隠ぺいの事例
 1)内部報告での製品回収事例
 2)厚生労働省の改善命令より

5.PMDAの査察で製品回収につながった事例
 1)韓国の原薬製造所
 2)水虫薬の回収と指摘事項
 3)PMDAの製品回収事例から指摘と思われる事例

6.当局の偽証を防止する施策
 1)和歌山県の原薬業者の問題点
 2)無通告査察とその実際
 3)愛知県の原薬/製材業者の問題点
 4)山口県の原薬/製材業者の問題点
 5)福井県の製剤コンタミミスで死亡
  ・OOSの取り扱い
  ・データの見方
  ・あれ?普段と違うときに行う方法
 6)富山県の製薬企業で約80品目回収の第三者委員会報告から学ぶ
 7)徳島県の製薬企業で約20品目回収

7.重大な品質問題が生じた時の実際のマネイジメント対応例
 1)「報告すると製品回収のリスク」、
      「報告しなければ製品回収はない」という状況のジレンマ

8.作業者が隠ぺいをした事例とその対応
 1)試験を実施しなかった
 2)意図的にSOPを遵守しない

9.なぜ作業者は報告しない/隠ぺいするのか
 1)隠蔽の意識がない行為
 2)SOPに対する軽視

10.風土の問題
 1)マネジメントの問題 
 2)一人ひとりが生かされる風土

11.作業者がミスを起こしにくいSOP/製造指図とは?
 1)重要な項目はダブルチェック
 2)ダブルチェックする項目を明確にしサインをすることにより責任を明確にする
 3)記録は必ずダブルチェックする
 4)記録はその都度記入する
 5)計量などの重要な項目はプリントアウトさせる。
            かつ記録のすぐ近くに貼付欄を設ける
 6)重要な項目はレ点ではなく記入させる
 7)表示物の計数管理は引き算をしない
 8)ラベルなどは廃棄するものを台紙に貼付して
            後日問題があった時にトレースできるようにする
 9)現場の作業者に計算させるようなSOPにしない
 10)現場の計測器の単位とSOPの単位は一致させる
 11)現場の作業指示書/作業カードも文書管理を行う
 12)作業カード等に写真など視覚情報を掲載する

12.偽造を見つけるための査察
 1)PMDAが行うと想像される項目
  ・逸脱/OOSなどの事例を深堀する
  ・日付に注目する
  ・サイン日の出社を確認する
  ・紙の白さに注目する
  ・収率に注目する
  ・受け入れ試験から出荷までの製造工程を一貫して記録を見る
  ・作業者に個別ヒアリングを行う
  ・プラントツアー時に現場の記録等を確認する
  ・倉庫の原料を確認する
  ・倉庫の入荷ログ(リスト)を確認する
  ・生データを確認する
  ・サンプリングではなく全てのロットを確認する
  ・資格者を確認する
  ・指図記録書を確認する
  ・試験のサンプリング量を確認する
  ・サンプリング者を確認する
  ・標準品管理を確認する
  ・逸脱&OOSの発生頻度を確認する
 2)講師が行っている確認項目
  ・健康増進法の喫煙環境の確認
  ・SDSの入手とSOPへの反映
  ・自動販売機の値段
  ・作業者の動きを確認する

13.医薬品製造の品質トラブル
 1)ドリンク剤の使用期限と製造番号の捺印が逆になっている(製品苦情)
 2)原薬の中に、ガラス異物が何個か見つかった(逸脱)
 3)注射剤のバイアル瓶の個装箱への包装時に
         他社製品のフリップキャップが見つかった(逸脱)
 4)品質再評価の試験方法が、1/12個アウトにでている(新規試験方法設定)
 5)他社製品の自社への販売移管時の品質評価(導入時の品質評価)
 6)ドリンク剤(食品)の栄養成分表示ミスが見つかった(問い合わせ)
 7)中国査察時に製造販売承認書に記載されていない原薬製造所で
                 異物除去(製造販売承認書からの逸脱)
 8)製造販売承認書からの逸脱(一変事項の個所だが品質には影響しない)
 9)処方成分でないものを製造工程で使用していることが判明
                 (レギュレーション厳格化への対応)
 10)ある製品のOOSが何度も発生している
            (当局査察時のリスクと収去時のリスク)

14.GMP省令改正の骨子とその対応&教育訓練
 1)GMP省令改正の骨子
 2)逐条解説から
 3)その対応&教育訓練


15.これまで以上に重要なGMP
 1)GMP不備から製品回収
 2)GMP不備による新製品承認遅れ


16.製造販売承認書の齟齬チェック者と責任者の研修
 1)教育訓練(知る)
 2)齟齬のチェック方法と対策(実践する)
 3)齟齬を防ぐ仕組み(維持する)

17.教育訓練/Quality Cultureへの取り組み
 1)SOPへの認識を改める/SOPを知る
 2)ヒューマンエラーと故意との違い
 3)教育訓練の効果検証の方法について
 4)認定制度
 5)ノウハウ集
 6)違反ができないGMP仕組みが人を守る
  ・現場でのサンプリング
  ・食品会社の取り組み(農薬混入から)
 7)3ゲン(現場、現物、現実)、5ゲン(+原理、原則)
 8)PDCA(Plan Do Check Action 品質サイクル)
 9)MBWA(Management By Wandering Around)
 10)CRM(Cockpit Resource Management)の業務への取り込み
 11)割れ窓理論の実践による大きなリスク回避(ハインリッヒの法則)
 12)Spiritual 5S(精神、整理、整頓、清掃、清潔)
 13)3H(初めて、変更、久しぶり),5H(犯罪、普段と違うを追加)
 14)先送りしない(先送りしても問題が起きない場合も)
  ・目の前の品質課題を一つひとつ解決する→行動する
 15) 一人ひとりが品質保証
  ・感性による品質保証(3H-4M活動)
  ・人を生かす取り組み
  ・10分/1日仕事が終わってから振り返る(考える)
  ・一人ひとりの総合力であり結果が今の品質、会社の実力
 16)FDAのQuality Culture
  ・Quality Cultureの根付かせ方

<質疑応答>



【脇坂 盛雄 氏】

■経歴
エーザイ株式会社入社後,品質企画部 統括部長,品質薬事部 統括部長,品質保証責任者など30数年に渡り従事し,2013年9月に退職,現在に至る。

■専門および得意な分野・研究
医薬品の品質管理/品質保証
 



■注意事項(予めご了承の上、お申込み下さい。)
【申込時】
●受講料はセミナー開催5営業日前の15時までにお振込み下さい。
●定員に達し次第、申込を締め切ります。
●最小開催人数3名に満たない場合、中止とさせて頂きます。
●講師及び当社のコンペティターの場合、受講をお断りする場合がございます。

【セミナー当日】
●名刺を以て受講券とします。お忘れなきようご持参ください。
●録音・録画(静止画・動画)行為は固くお断りします。
●会場では講義中のパソコン・携帯電話等の使用をお断りします。

一覧に戻る

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます