海外工場建設プロジェクトの進め方 10回シリーズ【第6回】

2021/02/12 施設・設備・エンジニアリング

塚田 進

 
第6回:契約書の注意点

さて、前回の引合図書を入札参加企業へ配布したら、次の作業は引合図書パッケージに対する質疑応答、現場視察のアレンジとなります。 そして、見積提案書の提出を待ちます。国内案件でも海外案件でも基本的に大きな手順の違いはありません。この期間、できれば詳細設計をロケットスタートさせるために基本設計図書を再確認して変更すべき要求事項が無いか確認しておくことも重要です。もし、大きな変更をする必要があるなら見積もり期間を延長させてでも追加指示として各施工会社へ通知しなければなりません。

評価項目は多義に渡りますが、海外案件では特に、①その国での実績、②責任者の海外実績、③日本の本社との連携方針、④物品輸入に対する知見、⑤着工認可までの申請手順に関する知見、⑥引合要求事項理解度などに注意します。

仕事欲しさに何も条件を付けずに金額だけが低い見積書が提出された場合は注意が必要です。その金額だけを見て発注すると「こんなはずではなかった。」と後悔することになります。引合時点で明確に確認しきれないまま契約すると、引合条件書の完成度によっては契約後の追加交渉は下手すると契約金額の10%を超える金額に膨らむこともあります。海外ローカル建設会社の中には、追加支払いに応じなければ工事を止めるというクレーム(脅し?)は当たり前の交渉術だと考えておくべきでしょう。


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海外工場建設プロジェクトの進め方-VOL.6

執筆者について

塚田 進

経歴 株式会社シーエムプラス 執行役員。
1級建築士、認定コンストラクションマネージャー(日本CM協会)。
1983年大手エンジニアリング会社入社。大型EPC案件の土木・建築を中心とした国内・海外プラント設計、海外現場管理を経験。エンジニアリング マネージャー、建築部部長代行を経て、2006年同社インドネシア法人社長に就任。700余名の現地社員を率い2014年まで企業運営とインドネシア国内中小案件をリード。海外駐在は、インドネシア、UAE, タイ、イラン、中国、カタール等、延べ15年以上に及ぶ。2016年株式会社シーエムプラスに入社。 国内外固形製剤工場、食品関連工場、医療機器製造設備等において顧客側コンサルタントとしてプロジェクトマネジメント業務(基本設計、ゼネコン引合い・評価、遂行管理等)に従事。2018年4月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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