プロせすを楽しむ (2)~うなぎとやきものを楽しむ~

布目技術士事務所
陶つくり・布目 温
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 瀬戸市の「せともの祭り」へ日帰りバスツアーで行った時のことです。神奈川県を早朝に発ち愛知県に入りましたが、土曜日の東名高速は渋滞で、午前中に会場に着けそうになく焦ってきました。と言うのは、瀬戸でやきものを物色する外に体験することがありました。
 これこそ、本題の「瀬戸焼うなぎ」です。若い頃、瀬戸で仕事をしていた時、と言っても窯焚き人ではありませんが、仕事現場に「長焼定食」(一本ごと焼いた蒲焼を細長い皿に乗せご飯と汁がついた定食)を出前してもらった経験があります。瀬戸には陶器屋さんばかりでなく、うなぎ屋さんも多くあります。
 後に聞きましたが、瀬戸には窯焚き専門の人がおり、この人達のスタミナ源がうなぎだったのです。窯焚きの人は、「火の神」に遠慮して4つ足は食べないと聞きました。直に窯焚の人から聞いた話ではなく真意の程はわかりません。
 ただ、有田陶器市へ行ったときも、お昼に鰻屋さんへ入ると、朝8時から営業と書かれていました。これは、朝窯焚きを終えた人達への伝統かもしれません。
瀬戸では店の入り口脇にある炉でうなぎを焼いており、中にはテーブルと椅子が無造作に置かれ、炉ではモクモクと黒煙が上がり、パタパタうちわで煽る音がし、程よく焼けた蒲焼を店員が中へ持って入り、刻んで無造作に丼ご飯に載せ、テーブルへ運んでいます。焼けた蒲焼は、赤銅色で周りは焦げ目で一杯です。これを持ち帰りにするため、入口の脇で焼けるのを待っている人もいます。


写真1 入口脇の炉
 

 この赤銅色で周りに焦げ目がついている蒲焼を、私は勝手に「瀬戸焼うなぎ」と呼んでいます。これは、鎌倉、辻堂、小田原あたりにある、「湘南系」とは全く別モノです。祖母から刷り込まれている、フワとした柔らかな「湘南系」も大好きですが、「瀬戸焼うなぎ」を一度体験すると、これは病みつきになります。
 もし、どちらか1つ選べと強要されたら、野性味ある「瀬戸焼うなぎ」を選ぶでしょう。「湘南系」にある繊細さ・上品さはありませんが、エイヤと一気に引いた轆轤のような、力強さが味にもあります。丼ご飯の上に無造作に乗せ、焦げ目も一杯ある鰻丼は、フワとした柔らかな蒲焼を塗りの重にならべた鰻重とは、全く別モノです。
 「瀬戸焼きうなぎ」が文字通りそうですが、やきものとうなぎが一緒に出てくるのが鰻丼ですね。ぐらぐらと沸騰した鍋で丼が熱せられ、炊きたてご飯に焼きたて蒲焼が載せられ出てくる、鰻丼の蓋を開ける瞬間の期待と感動、至福のときですね。
 


写真2 蓋付き鰻丼

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