医薬品製造事業関連の知財戦略【第2回】

2012/08/20 その他

稲場 均

4. 事業の競合における武器
 
 前回お話ししました知的財産あるいは知的財産権を企業活動における意義の観点から整理しますと、
 
 1)企業活動においては独創的な技術や創作物を生み出し、他社との競争に打ち勝つ必要があります。
 2)企業はそのために莫大な投資を行っており、事業化後はそれを回収することが不可欠です。
 3)投資の成果である知的財産は知的財産権として保護され、事業上の競合における武器とします。
 4)これにより、投資の回収を最大化するとともに、次の研究開発投資へのインセンティブとします。
 
 つまり、企業は、開発した製品の性能、形状、名称などといった知的財産を財産権として確保し、製品の優位性を独占することによって他社製品との競争に打ち勝つことを目指すことが可能になります。この意味で、知的財産権は、企業にとっての武器、それも「知」を使う武器であるともいえます。

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執筆者について

稲場 均

経歴 千葉大学 医学部付属病院 臨床研究基盤整備推進委員会シーズ評価専門部会委員
持田製薬(株)にて中央研究所副部長、知的財産部長を歴任。千葉大学での特任教授を務め、2009年4月より現職。この間、2010年より日本製薬工業協会知的財産部長。2012年から2015年まで東京医科歯科大学客員教授を兼任。また日本知的財産協会の特許委員長、バイオテクノロジー委員長、常務理事、副理事長を務める。その他、特許庁:微生物寄託検討委員会委員、環境省:生物多様性条約名古屋議定書検討委員会委員、知的財産研究所:用途発明に関する調査研究委員会委員を歴任した。
現在の研究内容は『製薬企業の知財活用、医療分野の実用化促進に資する知財戦略の推進』である。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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