インドビジネス雑感
南インド、デカン高原の中央に位置し、インドで6位の人口を持つハイデラバード周辺のR市のインドの原薬生産会社と仕事をする機会がありました。ビジネスの詳細について語ることはできませんが、インドビジネスに関与して思うことをざっくばらんに語らせていただこうと思います。
インドの活気
インドは、これからの国です。中国に比べるとまだまだ遅れているという感じがします。中国では、物乞いをする人を見たことがありませんが、ハイデラバードのダウンタウンにも物乞いする人々が大勢おります。まだまだ貧しさが解消されていないのがインドです。インドの人口が、一人っ子政策を取る中国を抜くのは時間の問題と言われています。これからの発展によって、多量の消費財が必要となり、インドはこれから巨大な市場が形成されることが予想されます。その市場が世界的に期待されています。
2013年6月に1年ぶりにインドのR市を訪問しました。1年前、ハイデラバードから南部バンガロールに向かう国道7号線は良く整備されておりましたが、7号線を降りて一般国道に入るや、舗装が所々途切れており、舗装してあっても、メンテナンスが悪くて、ぼこぼこ穴があいていました。国道なのに、自動車が普通のスピードを出せないような道路が続いておりました。しかしながら、1年の間に、100kmほどの道のりすべてが真新しい舗装道路になっていて、普通に自動車が通れるようになっておりました。田舎の町へ向かう国道も整備が進んでいることがよく分かりました。
国道の整備が進んだとは言うものの、穀物の収穫の時期には、穀物を乾燥させるために、大量のコメや麦が国道に撒かれているので、ところどころで片側通行になります。また、山羊や牛の群れが道路を横断すると、自動車も止まってしまいます。こういう姿もインドです。
R市の工場は、クリシュナ川に沿って建てられた発電所の近くにありました。発電所もどんどん増設を進めています。また、R市周辺には建設中の民家が多く見られました。R市はデカン高原(300m位の標高です)の綿花の集積で栄えた町ですが、現在ある巨大な石炭火力発電所と同じ大きさの発電所をもう1つ増設中であるのを始め、精米工場、製鉄工場、化学工場、原薬工場がどんどん拡張されています。原野に建てられた工場団地ですから、スペースはいくらでもあります。これからどんどん発展するという兆しの見える町でした。
私が訪問した原薬工場は、デカン高原の原野、何もないところに建っているのですが、新しい工場なので設備は、新品でピカピカのものばかりです。特殊機器は大体がEUからの輸入品ですが、反応槽、乾燥機器など汎用の機器はすべてインド製です。インドの片田舎にある工場ですが、設備としては、世界最高水準でかつ最新鋭のものです。日本の古い原薬工場に比べて、設備に関しては明らかに勝っております。工場の従業員は、十km以上離れたかなり遠くの自宅から通勤しています。400人の従業員の内、高給をもらっている15名程度の幹部は車で通勤。100人程度がバイクで通勤です。バイクも買えない人は会社が用意するバスで通勤してきます。通勤は大変ですが、地元にできた近代的な工場に勤めているということがステータスになっているようで、働いている人たちは、目を輝かせて仕事をしています。空き地が多い工場ではあちこちで増設が進んでいます。どんどん増設が進んでいますから、いやでもこれからこの会社が大きくなることが分かります。
原野に立つ工業団地
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