製薬メーカーにおけるコア人財の育成【第5回】

 1. 人事マネジメントと戦略「人事管理から人事マネジメントへ」
  1.2 人財活用 (2)
 
 前回に引き続き今回も「人財能力の最大発揮」という観点から「人財活用」について考えてみることにする。今回は、とくに若手社員から中堅社員が、現在は勿論、将来に向けての輝かしいキャリアを築くための、そして、彼ら彼女らに築かせるためのヒントを提供したい。
 
●直線か、曲線か
 天声人語子は、かつて次の様に述べていた(朝日新聞 「天声人語」 2010.4.16)。
 目に映る自然の造形に直線はない。山も川も、木の葉も雲も、ことごとく曲線である。造物の神は定規を持たなかったようだ。片や人間の造ったものは、ビルにせよ橋にせよ、直線に満ちている。
 直線を発見し、そこに最大の効率を見いだしたのは人類の英知だったかもしれない。2点を結ぶ最短距離である。さりとて人の生き方にまで直線を求めすぎれば、社会は潤いも活力も失いかねない。
 直線の定規だけで人生は描けないし、2点を結ぶ線はそれこそ数限りない。希望はどこにあり、どの線でつながっているのか。
 筆者は、少なくとも新入社員から中堅社員までは、直線の最短距離を目指すのではなく、最長距離とは言わないまでも豊かな曲線を描いていただきたいと願っている。働き方、生き方に直線を求めれば潤いも活力もなくなる。つまり、失敗や挫折、悩みの紆余曲折と束の間の喜びが入り混じった曲線志向で歩もうというわけである。デジタルで直線的に進むだけではなく、アナログで曲線的に進むことも必要だと考える。
 それでは、曲線的に進むにはどうすれば良いか。直線は一本道だが、曲線には歩むべき経路に多くの選択肢がある。ともすればゴールを見失ってしまうこともあるであろう。それを防ぐには、次項で述べる「三つの輪」で確認することも一つの方法である。

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