【第29回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、Improve改善フェーズで何するの?(その4)

 LEANツールやロジックツリーを用いて、多くのアイデアや改善策が見つかりました。次にこれらのアイデアや改善策の優先順位付けを行います。優先順位付けは、PICKチャートペイオフマトリクスによって行います(今回はPICKチャートを用いて解説)。優先順位付けができたら、改善策の実行計画書を作ります。

<図29-1 PICKチャート、改善策の優先順位付け>

 【 PICKチャート、優先順位マトリクス 】
 <図29-1>に示すPICKチャート(優先順位マトリクス)を説明します。縦軸は改善策の実行難易度、横軸は改善策による効果・影響の大小です。導入難易度と改善効果から改善策実行の優先順位付けを行います。

  • 優先度1、Implement(実行):実行難易度(低い)、改善効果(大きい)、この枠に入るものは改善策を優先的に実行します。
  • 優先度2、Possible(可能):実行難易度(低い)、改善効果(小さい)、この枠に入るものは改善リソース・手間とメリットを比較し、その上で実行するかどうか判断します。
  • 優先度3、Challenge(挑戦):実行難易度(高い)、改善効果(大きい)、この枠にはいるものは実行するかどうか慎重に検討します。改善策を分割・時間をかけて実行することも検討します。
  • 優先度4、Kill(無視):実行難易度(高い)、改善効果(小さい)、この枠に入るものは、基本的に改善策は実行しません。

 PICKチャートと同様に「ペイオフマトリクス(優先順位マトリクス)」と呼ばれる4ブロックチャートもあります。基本的な使い方は同じです。縦横軸の大きい/小さい、高い/低いの定義は何かあるかと質問されることがあります。相対的なもので、基準はプロジェクトによりケースバイケースです。このツールの使用目的は優先順位付けです。
 全ての改善策がChallengeに入ってしまう場合があります。その場合は拡大鏡のように広げて、Challengeの枠を4分類にしてください。優先順位付けなので、PICKチャートとはそのような使い方をするものです。

 

 

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