製薬メーカーにおけるコア人財の育成【第4回】

 1. 人事マネジメントと戦略「人事管理から人事マネジメントへ」
  1.2 人財活用 (1)
 
 前回、管理職の業務が、「管理」から「マネジメント」へ、すなわち、「部下をコントロールすること」から「部下が働きやすくしてあげること」へ、言い換えると「ヒトを引っ張っていくこと」から「ヒトの能力を引き出していくこと」へと大きく変わってきたことを述べた。
 今回は、この「人財能力の最大発揮」という観点から「人財活用」について考えてみることにする。
 
 「人財活用」に関する話をする前に少し寄り道をしたい。
 筆者は、最近、学生と話をする機会が多いせいか、「学問」と「ビジネス」、あるいは、「大学」と「企業」、それぞれの相違を確認する場や機会が増えている。この相違点についての話から始めたい。
 
●学問とビジネス
 学問の本質は、真理探究の真理志向である。得られるものは、時間が掛かってでも細かい部分まで正しいことが重要である。したがって、客観的に正しい解、すなわち、「正解」を求めるのである。
 それに対して、ビジネスは、成果志向である。限られた時間や予算の中で成果が得られそうな納得感が得られれば良いわけである。現時点で「正しそう」と思える、あるいは、周りをそう思わせられる解、すなわち、「妥当解・納得解・最善解」が求められれば良いのである。あくまでも「正解」を追求しようとすれば、企業は競争に負け、最終的には倒産してしまう。
 なお、藤原和博氏は、「坂の上の坂(ポプラ社2011)」の中で、 「正解」を求めるのに必要な能力を「情報処理力」、「妥当解・納得解・最善解」を求めるのに必要な能力を「情報編集力」と言っている。

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