【第19回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、Measure測定フェーズで何するの? (その3)

現場の実態を把握する方法、三現主義について紹介する。
対象プロセス、問題・課題の「現状を把握する」ことが測定フェーズの目的です。現状プロセスを測定すること、現状データを測定することを紹介しました。測定フェーズのその3は、作成したプロセスマップとデータのグラフ化と合わせて、現場(関係者)の声を聞くことです。「現場の実態を把握する」です。作成したプロセスマップや収集したデータとグラフが実際にそこで業務を行う人たちの肌感覚と合っているのか、内容が正しいかどうかを現場メンバーと一緒に確認します。ここを飛び越えてプロジェクトを進めると、俗にいう机上の空論となり、あとで失敗する場合があります。現場・現実・現物の三現主義を忘れると、思わぬ落とし穴があるかもしれないということです。
【 三現主義で現場の実態を把握する 】
単にプロセスマップとデータとグラフが正しいかどうかだけではなく、現状の問題や課題、更には改善アイデアも一緒にヒアリングします。プロセスマップやデータからは見えない特殊事情や、人間関係、作業手順書と実作業のちょっとした齟齬など、何でも出してもらいます。改善アイデアは直ぐに実現できないものでも良いのです。
プロジェクト準備段階や定義フェーズで現場関係者とブレインストーミングは行っているかもしれません。しかし具体的な現状プロセスマップやグラフを前にして行うブレインストーミングは意味が違います。意見やアイデアがより具体的になります。主観、客観含めて、いろいろな目線でプロセスマップとグラフを確認していきます。追加データ収集や、具体的な改善ポイントのいくつかも判明するでしょう。「プロセス」、「データ」、「現場の声(実態)」の3点セットで現状を把握します。ここが測定フェーズの勘どころです。

【 プロジェクト範囲、方向性を修正 】
定義フェーズで作成したプロジェクト企画書、測定フェーズで作成しているプロセスマップとデータ、グラフ、そして現場の声(実態)から、プロジェクト企画書を見直します。必要に応じてプロジェクトで扱う範囲と扱わない範囲(プロジェクトスコープ)と、プロジェクトの方向性とゴール(着地点)を修正することができます。現状測定からプロジェクトのスタート時点では見えていなかったポイントが見えてくるのがMeasure 測定フェーズです。プロジェクトリーダーとしてプロジェクトを成功させるため、プロジェクトで扱う範囲とゴールをアップデートします。プロジェクトにかかるリソースは有限で、プロジェクトをいくつかのステップに分けることも検討、提案しましょう。データの裏付けを持ち、プロジェクトの依頼主であるプロジェクトオーナーやチャンピオンと相談するとよいでしょう。
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