アメリカFDA薬事規制とビジネスへのインパクト【第2回】

2022/03/04 医療機器

効果的な市場参入を見据えたクラス分類について。

市場参入を見据えたFDA医療機器クラス分類

●    医療機器クラス分類
 アメリカで医療機器販売をするには、販売者はFDAのことを知らなければなりませんが、日ごろ私たちが受ける相談者の規制に対する理解は様々なレベルです。特に最近は、Amazonなどで美容機器の販売をしたところ、“気が付いたら医療機器になっていたようなので、その登録を代行してほしい”、というご相談もあります。このようなケースでは、アメリカで医療機器ビジネスを行うことは、難しい事とは考えておらず、必要な登録を済ませるための規制だと感じます。
 一方で医療機器メーカーにとっては、FDAの決定が製品の事業価値を決めるものでもあると知っているため、企画の段階から何らかの知識は持っていると思います。コンサルティングを行う立場の者は、相談者の目的や経験に応じて、最適なアドバイスをするようにしています。場合によってはアメリカでの販売をやめることになったり、早期上市の実現で競争を優位に立てたり、また保険償還など市場での価値を上げ、パートナーとの交渉を実現するケースなどもありますので、薬事は早くて安い(簡単)というわけにはいかない点からも、コンサルタントはクライアントと一緒に、ビジネスのシミュレーションができなければいけません。その中で大事なことは、デバイスがFDAクラス1~3のどれに当てはまるのかを想定することであり、それによりビジネスの優位性の前に、申請者の負荷が大きく異なります。
 

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執筆者について

春山 貴広

経歴

(GLOBIZZ Corp., President , ロサンゼルス在住)haruyama@globizz.net 
大学卒業後に製造業に勤務し、13年間の海外駐在(ドバイ、ニューヨーク、ロスアンゼルス)の後、米国・カリフォルニア州で医療機器販売会社を起業し、その後医療機器コンサルタントとして、グロービッツコンサルティング社を日米で運営する。また、日本の医療機器メーカーでは国産医療機器開発(人工関節インプラントや呼吸器系消耗品)と米国医療機器の販売代理店として多くの国内導入に携わる。
グロービッツコンサルティング社は、医療機器FDA申請、アメリカ市場調査、契約サポート、ドクターヒアリング、医療保険収載等、アメリカ市場参入コンサルティングなど幅広く関わる。
(米国)Loyola Marymount Univ., 経営学修士(MBA)、静岡大学客員教授、経済産業省地域未来アドバイザー、東京都医工連携HUB機構アドバイザー、中小機構海外進出アドバイザー、JETROヘルスケア専門家、などの専門家業務を兼務する。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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