米国/NJ便り-その2

2016114
シーエムプラス顧問
栄木憲和

米国大統領選の投開票まであと4日、かつてない接戦と異例な顔合わせに米国中が沸き立っている。誰が1年前にトランプの善戦を予想しただろうか? 昨年から大統領戦の様子を眺めてきた感想は、「気力・体力・資金力」がないと続かないということである。気力;相手の誹謗・中傷があってもそれにめげずにやり返す精神的強靭さ(低俗な舌戦を聴衆の前で堂々とやり通すという図太さ)、体力;連日に及ぶ州から州への移動(70歳と69歳なのにタフである。しかし幌馬車時代ではあるまいし、ITを駆使してキャンペーンができないのだろうか? やはりface to faceが大切なのだろう)、資金力;クリントンは1300億円、トランプは800億円の資金を集めた(これだけの資金を使う選挙に対して大きな非難の声がある)。
 
10月28日にFBIがクリントンのメール問題について再調査に着手するという発表があり、最新のABCとWall Streetによると両氏の支持率が拮抗することになった。
大統領を最終的に決定する各州からの選挙人総数538人でみるとクリントンは264票、トランプ164票という予測でクリントンがいまだに優勢である。私の住んでいる町の家々の玄関先には支持者を表明する「TRUMP」「CLINTON」といった旗が星条旗と一緒にたなびいている。トランプはどちらかというと、白人低所得者層から圧倒的な支持があり、反面、女性・高所得者・高学歴者・インド・ヒスパニック・黒人には不人気である。私のインド人の友人(Bostonでバイオベンチャーを立ち上げたCEO)は子供たちの将来を考えるとトランプは絶対に支持をしないと言っている。一方、クリントンはヒスパニック・黒人層に支持を受けているが、エスタブリッシュというイメージが強く若い女性層に不人気である。
トランプについては、10月に公開されたMichael Moore映画監督の‘Michael Moore in TrumpLand’ (iTunesでも配信)が興味深い。Moore監督はこれは決してトランプ下ろしのための映画ではないとしながらも、トランプへの投票がBrexist(英国のEU離脱)のような結果になってはならない。政治・経済・社会への怒りや不満(特にアメリカの中産階級層)からの彼への投票は後悔をもたらすだけだ、と語りかけている。彼は、貧困にあえいでいる人も、億万長者も等しく与えられたアメリカ国民としての権利、それは投票に行くことだと語りかけクリントン支持を訴える。クリントンは今まで女性として様々な差別と不当な扱いを受けてきたがそれに屈せず、多くの女性に希望を与えようとしている、クリントンを嫌いでも構わない。しかしアメリカの将来の希望のためにクリントンに一票を入れようじゃないかと締めくくる。Mooreの懸念として、USA TODAY(10/27/2016)のインタビューで、ヒラリーはタカ派ゆえに戦争を起す危険性があるが、米国を絶対に戦渦に巻き込んではならないとコメントしている。
11月8日22:00には激戦州であるネバダ・ユタ州、その後23:00にはハワイ州、そして最後には翌日午前1時にアラスカ州の投票が終わり、日本時間で11月9日の夕方には米国の新しい大統領の選挙結果が判明しているだろう。結果の行方に興味は尽きない。
 

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