リスクアセスメント&マネジメント(RAMP)【第11回・最終回】

2015/12/03 品質システム

"7.原料供給業者のリスク管理の為のリスク監査

製造所管理のためのリスク管理のため監査
原薬・原材料製造所のリスク評価と管理方法を“PIC/S ガイドライン監査の実施の方針"を引用して、解説する。
リスクベースの監査の実施の頻度に関しても、同様のことが定義されている;
定義したリスクの算出法に基づき、監査の頻度の決定にも、反映させる。また、リスクベースの監査は、製造所の初めての監査で、GMPの準拠状況が明らかになった後に行われるべきものであって、初めからリスクベースでの監査を採用するようには拡張はされないとも述べている。

では、リスクベース監査の評価手段は?
品質リスクマネジメントツールのワークシートを用いて、監査の頻度等がリスク評価によって決定される。
A.製造所のInformation Part、サイトの名前と住所、許可・免許証番号
B.固有のリスクの分類
サイトについて推定内在するリスクは、サイト、そのプロセスと製品だけでなく、供給の観点からなど、サイトが提供する製品やサービスの重要度の複合性も反映させる。複合性と重要度は、通常、サイトに関係なく、コンプライアンス状況ほぼ一定であるので、下記のようなmatrixを用いて、リスク評価、監査頻度を決める。

 ①製品、製造工程の複雑さを1から3で評価。
 ②製品を製造時の重要度、品質試験を行う上の重要度を1から3で評価。
 ③ ①、②の評価をマトリックスにして、評価する。製造所、製品に関しての
   固有のリスクを算出する。

製品、製造工程の複雑さと重篤度は、3は重要度が高く、1は重要度が低いことを表している。
提供する製品やサービスの重要度の複合性
  重篤度 1 重篤度 2 重篤度 3
製品、製造工程の複雑さ 1 1(軽程度) 2(軽程度) 3(中程度)
製品、製造工程の複雑さ 2 2(軽程度) 4(中程度) 6(高程度)
製品、製造工程の複雑さ 3 3(中程度) 6(高程度) 9(高程度)
合計点1もしくは2:軽程度
合計点3もしくは4:中程度
合計点6以上:高程度
 "

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執筆者について

古澤 久仁彦

経歴 1978年住友化学工業に入社、創薬、安全性等に従事。2004年三井農林(株)に入社APIの製造部門にて、信頼性保証部長を歴任、2010年テバ製薬(旧大洋薬品)に入社、信頼性保証部門、部長としてvendorのGXP全般の監査を担当。2014年退社。
製造所のGM(X)P監査・risk評価並びGMP管理(製造管理、品質保証・管理、文書管理)の実践的対応、risk分析、PMDA/FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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