ASEAN諸国における規制課題とビジネストレンド【第3回】


 
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 この3回目の記事では、ASEANにおけるヘルスケア産業の重要なプレーヤー、多国籍企業に注目して紹介する。ここまでの2回の記事では、ローカルと地域リーダーの異なるコンプライアンス関心事項を紹介し、且つこれに基づき、このように単純化して産業のASEANの統合におけるそれぞれの可能性と課題、特にPIC/S GMPがASEAN共通の規制として実施された場合の課題について概説をした。即ち、多くの国際的にもトップの製薬企業が強力な税の優遇策により腰を据え地域の拠点としているシンガポールを除けば、一般的に多国籍企業は殆ど存在せず、他のASEANの国では小数の多国籍企業と多くの数の地元及び地域のプレーヤーが混在している。
 
多国籍企業の紹介 
 多国籍企業は独自の調査によりポートフォリオを発展させ、買収、ジェネリックの競合品からの既存製品の防御及びASEANのような新しい、発展中の市場への更なる拡大に焦点を当てている。
 
 アジアにおいて、特に中国では多国籍ブランドの成長は早い。膨大な人口があり経済成長も早いASEANは、地域が成熟するに従い、市場の観点及び製造作業の人件費の低さから、同様により魅力的になる筈である。日欧米市場と比べれば、各ASEAN加盟国の市場はまだ非常に小さいが、地域全体を通して安定した成長をとげており、収入の面から見れば、国民は相対的には高い比率を医療費に費やしている。
 
 ASEANにある多国籍企業は、私立病院と個人医師に集中して、世界的に知られた自社製品を販売しているが、これはローカルで製造された医薬品と比べ、これらの製品がより安全的で、且つ副作用を起こす可能性はより少ないと思っている富裕層の需要による。新薬でジェネリックの競合品が殆ど無く、ローカルで代替の製品が未だ存在していない場合、国はこれらの製品を輸入品に頼るしかない。公的な医療制度があるASEAN諸国では、高価な輸入医薬品はローカル市場、特にジェネリックの価格にプレッシャーをかける要因となっている。この件については、次に詳しく説明する。然しながら増加する私立病院や、ASEANでの治療を受けるために外国へ渡航することに費用を惜しまない傾向の顕著な増大により、将来的な更なる成長は、輸入品が高コストでも継続されると考える。ASEANでは、一部のローカルと地域の病院集団は迅速的に成長しつつあり、これらの病院に医薬品を提供できる製薬企業を買収する十分な大きさになっている。 
 
 この地域の多国籍企業で一般用医薬品(OTC)事業を展開するところや、知名度のある世界的なブランドの急速な成長の要求に適合するためASEAN諸国では、その製品の許可を必要とせず設立や上市が容易である。
 
ジェネリック医薬品と医薬品製造の位置づけ
 多くの地域の政府は公立病院で使用されている医薬品の価格を固定しており通常、欧米などと比べれば低価格である。
 
 毎年政府は病院で用いられるヒト用医薬品の契約に入札方式を採用しており、これは公立病院に販売される医薬品は通常少数の地元企業(通常地域リーダー)により製造されたより安価な医薬品であることを意味する。
 

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