【第47回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、“変革推進、品質は儲かる”

周囲を巻き込み 一緒に考えるスキル(その3)

 周囲を巻き込み、一緒に考えるスキル(その3)です。前回に引き続き、ファシリテーションァ的スキルの活用事例を紹介します。

  • 参加してもらうことの大切さを感じてもらう、付箋をフル活用(第46回)
  • 立場や視点による違いをポジティブに活用(第46回)
  • 意見やアイデアの聞き方(第46回)
  • 情報共有の大切さ
  • 意見をまとめる、図示化する、アナログ方式  など


【情報共有の大切さ】

<図47-1>情報共有の大切さ

 プロジェクトのみならず業務が滞る原因のほとんどは、コミュニケーションギャップです。現場作業員や実務者は、自分の業務には精通していますが、前後のプロセスや、さらにその外側の業務までは意外と知らないものです。日々入ってくる仕事を自分の職務として処理することが中心になります。ワークショップやミーティングは、担当業務の外側のプロセスや状況について理解する、情報共有する絶好の機会となります。
 間接部門で仕事をしていると月曜から金曜まで、たとえば朝9時から夕方5時半まで、同じグループのメンバーは同じ時間帯で仕事をします。容易に顔を合わせて情報共有できます。製造部門などでシフト勤務をしていると、日勤と夜勤の人はほとんど会話をすることがありません。同じ職場であっても、シフトが違うだけでコミュニケーションギャップやちょっとした作業の進め方に違いが生じます。そこでワークショップでは、同じテーブルで、同じ情報を元に議論を進めます。
 たとえば作業手順書について、かなり細かなことまで1つ1つ確認しながら進めます。同じ作業でもシフトにより作業方法が違ったり、記録のとり方で認識に差があったりと、お互いに気づくことがあります。作業のプロセスマッピングや、問題解決で真因を探るときでも、全員で同じ情報を共有して進めることが肝要となります。一度に集まれない場合は、フリップチャートなどに議事録やプロセスマップを記載し、事務所などにしばらく掲示しておきます。皆に見てもらう、考えてもらうことをします。情報共有に気を配ることも、プロジェクトリーダー、ファシリテーターの大切な任務です。

 OPEXプロジェクトは部分最適化ではなく、全体最適化を目指します。何故そうなのかを理解してもらうためにも、できるだけ関係者は全員参加で情報共有をしながらプロジェクトを進めます。
 プロジェクトに参加してもらうとき、もうひとつ大切なことがあります。それは今の自分の立場(ポジション)から目線を上げ、全体を俯瞰することを話します。自分が現場オペレータであっても、工程責任者の立場であればどのように考えるか、マネージャーの立場であればどうかなどです。自分のポジションから1つか2つ上の目線で考えると違うものが見えてきます。違う気づきもあります。

 

 

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