私が経験したGMP、(@独り言)【第3回】

2022/01/28 品質システム

今回はGMPを実施していく中で、製品標準書を作成する作業に係ることになった時の事を書きたい。

容量、成分量で全部分けた -製品標準書-

前回は、標準操作(作業)手順(SOP)の経験について記載したが、今回はGMPを実施していく中で、製品標準書を作成する作業に係ることになった時の事を書きたいと思う。研究開発でも品質管理でも実験を行う現場では、有機溶剤を使用する。個人的な事情だが、“妊婦さん”になったことで、しばらく実験室から離れた業務をすることになり、ちょうどいいのでやってくれ、ということになったわけである。製品標準書が全くないわけではなく、既にあるものを整備するのだが、既存のものは製品名で1つにまとめられていた。つまり、成分量(濃度)や、容量が異なっていても同じ製品の名称がついているものは1冊にまとめてあった。これを1濃度ごと、1容量ごと)に1冊となるように整備するという作業だった。すなわち○○注射液5mL、20mL、100mLと容量違いがあればこれで3冊。○○錠1㎎、5㎎、10㎎、の含有量違いがある場合も3冊、というように全て分けていく。
製品標準書には次のような内容を記載する必要がある。
 ア.原料の成分/本質、分量、規格及び試験方法
 イ.容器・包装の規格及び試験方法
  *該当する場合(ア)~(エ)
  (ア)    自主設定した承認事項より厳格な規格の妥当性の根拠
  (イ)    公定書等の試験法に代わる試験方法の妥当性の根拠
  (ウ)    自主設定した承認事項及び公定書等にない規格及び試験検査の方法と評価結果
  (エ)    承認事項となっている外部試験検査機関で行われる試験検査の項目と規格及び試験検査の方法 

 ウ.製品品質に影響を及ぼす原料等の保管条件及び供給者の管理の方法
 エ. 表示物の規格及び仕様
 オ. 製造方法及び製造手順(工程内検査、中間製品の規格及び試験検査の方法とその妥当性を示す根拠を含む。)
 カ. 標準的仕込み量及びその妥当性を示す根拠(バリデーションの結果等)
 キ. 製品の保管条件及び有効期間又はリテスト日とそれらの妥当性を示す 根拠(安定性試験の結果等)
 ク. 原料等の供給者との取決め、外部委託業者との取決め等の内容
 ケ.その他所要の事項として、次の事項
  (ア)    医薬品製品標準書の作成・改訂・承認の日付
  (イ)    医薬品製品標準書の管理番号
  (ウ)    医薬品製品標準書の承認を実施した品質部門の責任者の氏名、配付先
  (エ)    製造販売業者が製造業者又は外国製造業者と取り決めた事項の内容 

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執筆者について

佐藤 小津江

経歴

1985年より4.5年間動物用医薬品の研究開発及び品質管理業務を経て、1988年より12年間、医療用医薬品(注射剤)の品質管理、研究開発とGMP整備業務に携わる。2002年より8年間、経皮吸収型製剤の分析評価業務と治験薬GMP体制整備に従事。2013年生物由来原薬、製剤、無菌原薬の製造販売業にて品質保証部業務と品質管理責任者を兼務し、2016年退職。株式会社シーエムプラスに入社。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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