経歴
2015/04/30 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第9回(最終回)】
6.EO滅菌の日常管理 6.1 滅菌工程手順書 滅菌工程バリデーションで、滅菌に必要なすべてのパラメータや管理項目が決定されたら、それらの情報を滅菌工程手順書として正式に発行します。 滅菌工程手順書には、少なくとも以下の詳細な情報や手順を含めるか参照できることが必要です。 ・使用滅菌器(プレコンディ
2015/03/02 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第8回】
5.3 バリデーションの準備 (1) 必要な消耗品類の購入および検証 1)滅菌ガス 当該滅菌工程バリデーションに必要な滅菌ガスは、購入後、ロット番号、有効期限を確認し、製造元のCertificate を入手することが必要です。 2)インジケータ類 当該滅菌工程の有効性の確認やモニタリング、あるいは滅
2015/02/02 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第7回】
5.EO滅菌工程のバリデーション 滅菌により製品は無菌になります。 正確には微生物の生残確率が10-6 以下となるのですが、確かにその状態になったということは、実験的に検証することは不可能です。 ある製品中に生菌がいないことを直接的に証明するには、無菌試験が唯一の方法です。 しかし無菌試験は破壊試験
2015/01/05 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第6回】
4.エチレンオキサイド滅菌における滅菌保証 先に述べましたように、滅菌工程はその有効性を後工程で検証することはできません。 さらにEO滅菌では、滅菌の有効性に影響を与えるファクターとして、EO濃度、温度、湿度、時間、圧力などがあり、それらを確実にある一定の範囲にコントロールすることはハードウエア的に
2014/12/01 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第5回】
滅菌工程は、およそ次のような段階を経て最終的に確定されます。 1. 滅菌工程中の圧力 本事例では20%EOと80%CO2の混合ガスを使うため、滅菌時のEO濃度は、ガス投入前の減圧度や缶体内の温度にもよりますが、滅菌圧力が150kPa ではおよそ450mg/L、200kPaでは600 mg/L、25
2014/11/13 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第4回】
3.3 EO滅菌工程の確立 正しく作動する滅菌装置の準備ができた段階から滅菌工程の確立に入ります。 まず事前の作業として、以下を決めます。 ① 滅菌対象物 対象製品の仕様、一次包装、二次包装、包材を明確にすること。 ② パレットへの積載方法 滅菌物をどのような状態で、どのようなパターンでパレ
2014/10/16 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第3回】
3. EO滅菌工程の確立 3.1 要求条件の明確化 次の状況を考えてみてください。 「あなたの会社では、画期的な医療機器を開発しました。 それは使い捨ての製品であるため、滅菌を行わなければなりません。 製品に採用されている素材の特性から、高圧蒸気滅菌や放射線滅菌は採用できません。 産業規模の滅菌です
2014/09/12 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第2回】
2.EO滅菌工程の概要 先に述べましたように、エチレンオキサイドによる微生物の滅菌は、EO分子と微生物細胞のタンパク質や核酸などの生命に必須の物質との化学反応に基づいています。 化学反応ですので温度が高いほど反応速度は速く(= 速やかに死滅)なります。 しかしEOの性質として60℃以上ではEO分子同
2014/08/11 AD 製剤
エチレンオキサイド滅菌の実践知識【第1回】
1.エチレンオキサイド滅菌の特徴 1.1 エチレンオキサイドとは エチレンオキサイドは、エチレンオキシド、EO、EtO、酸化エチレンなどとも呼ばれる化学物質です。(以下、EO) 分子式はC2H4O 、分子量約 44、沸点が10.7℃であるため、常温では気体(ガス)です。 分子量からわかる通り、気体の
2014/07/14 AD 製剤
今さら聞けない!微生物・滅菌入門【第5回(最終回)】
8.滅菌の必要性 注射薬や使い捨て医療機器などは滅菌を行う必要があります。 滅菌とは対象品を無菌にすることです。 その概念は、医薬品でも医療機器でも同じなのですが、製品特性上、無菌にするためのアプローチは異なります。本稿では医療機器の滅菌にフォーカスして解説します。 先に述べましたように「滅菌」は非