WFI製造プロせすへの思い【第4回】

4.  蒸留という単位操作と汚染防止
 蒸留は水浄化法として優れた手段です。蒸留によって海水から真水を造ることを皆さんはご存知でしょう。中近東の砂漠地帯では、石油は豊富に産出しても、オアシスは少なく飲料水は貴重であり、鹹水(かんすい:塩湖の水)や海水を蒸留して飲料水を造るプラントが建設されました。
 一方、飲料水にもなる河川水を蒸発させると、含まれていたイオン成分は蒸発しませんから、発生した水蒸気はPureなSteamになります。このPureなSteamを冷却すると純度の高い蒸留水ができます。注射用水(WFI)は永らく、この蒸留によって造られてきました。
 WFI製造は、河川水など自然水から蒸留によって造るのが最も適した方法として信頼されていますが、人体へ直に注入される用途にとって本当にそうなのでしょうか。
一般純水レベルでは顕著ではなかったのですが、「超純水」レベルでは装置そのものから発生する汚染に関して多くの負の体験をしてきました。これは関係者間では認識されていますが、表だって公表されておりません。超純水装置の選択では分離性能だけでなく、装置本体から微粒子や金属イオンを溶出させないことが求められます。
純水装置へハンマーによる振動を与えた時に起こる処理水中の微粒子挙動を示します。
 

 この装置から発生する微粒子問題は象徴的な現象です。「純水装置内部から微粒子が発生する」とは、常識レベルでは考えつかない繊細かつ厳密な考え方であって、超純水水質低下を防ぐという真摯な取り組みから得られたものです。
 ここでは、蒸留という単位操作を「蒸発」と「冷却」という2つの工程に分け、その工程に含まれ得る汚染について考察します。WFIは高純度が求められますから、超純水製造と同じく、生まれた瞬間から汚染するという視点を加味する必要があります。

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