基礎からのGVP【第5回】

2021/06/18 その他

GVPの基幹となる自発報告の情報収集に関する手順について解説をする。

情報の収集I

1.情報の収集

GVP省令
(安全管理情報の収集)
第七条
 第一種製造販売業者は、製造販売後安全管理業務手順書等に基づき、次に掲げる安全管理情報を安全管理責任者又は安全管理実施責任者に収集させ、その記録を作成させなければならない。
一 医療関係者からの情報
二 学会報告、文献報告その他研究報告に関する情報
三 厚生労働省その他政府機関、都道府県及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構からの情報
四 外国政府、外国法人等からの情報
五 他の製造販売業者等からの情報
六 その他安全管理情報

(1)安全管理情報の種類
GVP省令、第7条に定めるとおり、副作用に関する情報(安全管理情報)は、様々な媒体、方法で報告されくる。第1に、医薬情報担当者(MR)等が医療機関を訪問しているときに医療関係者から情報提供があったり、会社への直接的な連絡による情報提供があったりと、医療関係者が自発的に報告してくれることから、自発報告と一般的に呼称される。次いで、医療関係者が学会で発表したり、学術誌に投稿し公表したりする情報で、文献学会情報といわれる。また、厚生労働省をはじめ国内の政府機関、地方行政機関等からもたされる情報で、行政情報といわれる。一方、外国政府による安全対策のためにとられた措置に関する情報や、外資系企業の本社や導入先の外国法人等からの情報と、国内だけでなく広く海外に視野を広げて収集する外国情報がある。さらには他の製造販売業者から連絡された情報、自社で実施しているの調査や試験にて収集された情報、そして、製造所等からの安全性に関する情報もある。

(2)安管理情報の収集手順
安全管理情報の収集で注意しなければならないのは、様々な種類やルートによる情報を網羅的に且つ迅速に収集することが求められている。そのために、収集するための手順を定め、必要とする情報が漏れなく、タイムリーに収集できていること、また、それが担保できる体制となっていなければならない。そして、各種情報毎に少なくとも以下の事項が確認・点検できるよう手順を定め、業務を円滑に遂行する必要がある。
・収集に関する担当(責任)者が定められているか
・いつからその製品に関する情報の収集を開始したか
・当該情報はどの時点で収集されたか
・当該情報の評価をするのに十分な情報が収集できるか
・情報収集の範囲が十分か
・追加調査・再調査等の手段が整備されているか

 

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執筆者について

草間 承吉

経歴 医薬品、医療機器、医薬部外品等の開発から製造販売後までの安全確保業務を黎明期から30年以上にわたり幅広く経験・管理・監督してきた。この間、業界活動においては製薬協PMS部会や東薬工医薬品安全性研究会、日薬連安全性委員会等でDSUやPMS担当者研修講座の設立等にも関与した。これらの経験を生かし15年前にPMSフォーラムを設立し、製薬企業等からの業務相談に対応しながら、指導・教育に努めている。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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