【解説】健康食品GMPの実践的対応ガイド ~紅麹事案を教訓に、医薬品GMPから学ぶ品質保証体制の構築~【第2回】
【第2回】健康食品GMPの全体像 ― 医薬品GMPとの類似性と責任の所在
本稿は、Wellness Daily News(https://wellness-news.co.jp/)に寄稿した記事を再編し掲載します。
Wellness Daily News掲載記事(2025.10.29)『健康食品GMP実践的対応ガイド(2)健康食品GMPの全体像~医薬品GMPとの類似性と責任の所在』
前回は、紅麹事案を背景とした健康食品GMP義務化の重要性について解説しました。第2回では、GMPの全体像をより具体的に把握するため、その構造を医薬品GMPと比較しながら解き明かし、誰が、どのような責任を負うのかを明確にします。
1. 健康食品GMPと医薬品GMPの構造比較
健康食品GMPと医薬品GMPは、製品の品質と安全性を確保するという目的は同じですが、その適用範囲には重要な違いがあります。

大きな違いとしては、製品の有効性・機能性を担う主成分(機能性関与成分/原薬)に対するGMP適用の扱いです。医薬品では、有効成分である原薬の製造段階からGMPが義務付けられていますが 、健康食品では、機能性関与成分の製造は現時点では推奨にとどまっています 。
逆にいうと、健康食品GMPでは、外部から受け入れる主成分/原材料の品質をいかに確保するかが、品質管理の最初の、そして最も重要な関門となります。
2. 大いなる参考となる「平成17年版 医薬品GMP」
第1回でも触れた通り、今回の健康食品GMPは、
平成17年(2005年)施行の医薬品GMP省令(旧GMP省令)と極めて類似しています 。組織体制、文書体系、バリデーション、変更・逸脱管理といった基本的な考え方や要求事項の多くが共通しており 、これは健康食品事業者がGMPを構築する上で大きな参考となります。
医薬品業界が20年近くかけて培ってきたノウハウや行政当局との対話の歴史は、これからGMPに取り組む皆様にとって、貴重な学びの宝庫と言えるでしょう。
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