医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第9回】

2020/10/23 品質システム

佐野 旭

国内製薬企業の国際的な企業としてのAuditの必要性について

1.医薬品工場における現状
国際的なAudit(監査)は大変重要であり、そのレベル次第で会社の発展に大きく寄与することになります。但し、会社上層部にその価値を理解している方が会社に少ないのが現状です。現実に国内の製薬会社で定期的にAuditを実施してその対策をManagement Systemにのせて回している会社は残念ながら少ないと聞いています。外資系の製薬会社ではいやでもGlobal Standardで仕事をせねばならないことが当たり前ですが、ある国内の製薬会社の会合でGlobal Standardとはどのようなものですかと聞かれて唖然としたことがありました。

あるべき姿は工場長がスタンダードを熟知し、その社内AuditでHSEマネジャーと共にAudit対応をManage出来ることが重要です。そこで、各種Auditに充実した対応を行い、その結果、優先度の小さなFindings(指摘事項)でAuditが終了し、その後マネジメントシステムを回し、会社事業所としてFinding対策を進めることができれば、会社の発展に寄与できる事業所といえると考えます。Auditを用いて、事業所の改善・改革を行いよりレベルの高いHSE管理が出来ている事業所は、国際的な社会的信頼度を高めることが出来る事業所といえると考えます。従業員や関係者の健康と安全を守り、地球環境の保全を維持できる企業として付加価値の高い財産となるのではないでしょうか。では、ここから詳細にAuditをご紹介してゆきたいと思います。
 

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執筆者について

佐野 旭

経歴

外資系医薬品会社に入社後、建設プロジェクトや設備保全などを担当し、また関連会社においては、医薬品の検査・包装にも携わりました。その後は工場のHSE Managerとして工場長と共にHSE Global Standardの社内への浸透をさせるべく事業所内教育に力を注ぐ傍ら、たびたび海外の事業所へAuditに出かけてHSE Global Standardの重要性を身をもって学びました。
M&Aが始まり7回の会社統合を経験し、そのたびに工場閉鎖が発生し、その環境影響評価と土壌汚染対策を担当しました。
又、会社統合のたびにGlobal Standardが変わり、Global Standardの体質まで学ぶことになりました。
2006年に退職後、コンサルタント会社を設立し、今までの経験を生かしてHSEのアドバイザーとして、企業のHSE導入サポート、企業内教育、HSE Audit、社内教育、講演、講習会、建設プロジェクトサポートなどの仕事をさせて頂いて多くの企業様、学校、行政関係様にお世話になり、現在に至っております。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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