FDAの対応すべき医療機器規制について【第11回】

2020/09/11 医療機器

"QSRによる品質システム構築にあたり、用語の定義をきちんと理解している必要があります。
【第11回】 の本記事では、DMRと変更管理、DMRとDHRの関係について解説します。第4回において、DMRとDHRについてRecordとなっているが実は記録ではなく文書化を要求されていることを記事にしましたが、今回はDMRと変更管理、DMRとDHRの関係に注目します。

まず、QSR要求事項ですが、それぞれ以下のような事項が求められています。
Sec.  820.181デバイスマスターレコード(DMR;機器原簿)[4]
各製造業者は、デバイスマスターレコード(DMR)を維持すること。各製造業者は、各DMRが820.40に従って作成され、承認されていることを確実にすること。各タイプの機器のDMRは、以下の情報を含むか、その所在を引用すること。
(a)適切な図面、構成、処方、構成部品仕様、およびソフトウエア仕様を含む機器仕様
(b)適切な設備仕様、製造方法、製造手順、および製造環境仕様を含む製造プロセス仕様
(c)使用される合格基準および品質保証設備を含む品質保証の手順と仕様
(d)使用される方法およびプロセスを含む包装およびラベリングの仕様、そして
(e)据付、保守、およびサービスの手順および方法。

Sec.  820.184デバイスヒストリーレコード(DHR;機器履歴簿)[4]
各製造業者は、機器履歴記録(DHR)を維持すること。各製造業者は、各バッチ、ロット、またはユニットのDHRがDMRおよび本パートの要求事項に従って製造されていることを確実にするための手順を確立し、維持しなければならない。DHRは、以下の情報を含むか、その所在を引用すること。
(a)製造の日付
(b)製造された数量
(c)流通のためにリリースされた数量
(d)機器がDMRに従って製造されたことを示す合格判定記録
(e)各製造ユニットに使用されたプライマリ(訳注:primary;原始の)識別ラベルおよびラベリング、そして
(f)使用された機器固有識別子(UDI)またはユニバーサル・プロダクト・コード(UPC)、および使用されたその他の機器識別子および管理番号。
"

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執筆者について

細田 誠一

経歴 東京電機大学卒。オリンパス光学工業(株)、オリンパスメディカルシステムズ(株)、オリンパス(株)にて、医療用内視鏡システムの設計・開発、製造と工程管理、品質保証と多岐に亘る業務担当の経験を重ね、グループ子会社の工場品質部門にて品質システムの管理責任者、オリンパスメディカルシステムズ製造部門にてプロセスバリデーション推進、本社品質保証部門にてCAPA活動推進の責任者の任務を遂行しました。FDA査察/MDD 監査/QMS 適合性調査における実践対応の経験、および定期FDA査察においてNAI(No Action Identified)に導いた実績があります。定年退職後、現在はコンサルタント、セミナー講師、書籍等への執筆活動を進めております。
資格等
IRCA品質マネジメントシステム審査員補
(公財)日本医療機器センター QMS講習会検討委員
未来医学研究会会員
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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