GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第36回】
1.ドラマ「アンサング・シンデレラ」1)
ドラマ「アンサング・シンデレラ~病院薬剤師の処方箋」がフジテレビで放映されている。原作はコミックとのことであるが、医療ドラマが多い中、薬剤師が主人公のドラマは初めてらしい。病院において、薬がどのように扱われているのかを知る機会にもなる。一部、ドラマだなと違和感が生じることやそんなことはないだろうと思う場面はある。しかし、製薬企業の従事者が知らぬことは多くあり、自分たちが製造した薬がどのように患者へ提供されるかを知る機会となる。製薬企業の従事者ならば、MR(医薬情報担当者)が主人公のドラマ「私の家政夫ナギサさん」2)もTBSで放映されている。MRが薬に関する情報を医師等の医療従事者に伝えていく場面が多くはないが、描かれている。残念ながら、薬剤師の登場はないが、製薬企業に勤務する薬剤師として、両ドラマとも今後の展開が気になる。
「アンサング・シンデレラ」第2話で、クラリスロマイシンの服用を子どもが嫌がり、母親が苦悩する場面があった。オレンジジュースに溶かすと、コーティングが剥がれ、苦くなるため、薬剤師が服薬指導し、チェコレートアイスに混ぜることで、飲みやすくなることが描かれていた。添付文書には、記載されていない点である。薬の開発では、いかに飲みやすくするかを考えて、コーティング等を施している。しかし、この場面、いっしょにカルボシステインが処方されており、同時に服用することで、カルボシステインが酸性のため、コーティングが剥がれ、苦みが増すことになる。医療の現場において、どのように薬が提供されるかを知ることで、顧客が求める医薬品の提供ができるのである。
薬は、身近に存在するものでありながら、その中身について、患者に知らされていない。医薬品の情報提供は、薬機法でも求めており、薬局は、適正に医薬品の情報提供をしなくてはならない。正しく服用されなければ、医薬品として期待する効果が得られない。しかし、少子高齢化の中で、服用すべき薬も増え、残薬の問題も生じている。飲み忘れや患者の勝手な判断もあるだろう。服薬指導は、そのような状況の中だからこそ、重要となる。製薬企業は、添付文書だけでなく、MR活動も含め、薬局での医薬品の情報提供、服薬指導に貢献しなくてはならない。医薬品の情報も品質である。
情報は、提供するだけではない。医薬品において、収集する情報も重要である。GMP省令で求められるクレーム等の品質情報も重要である。その情報の正確であることとそのクレームに対するCAPAシステムを稼働させることも求められる。また、GVPで求められる副作用等の安全情報も重要である。医薬品の品質は、変色している場合など見た目で分かることが少ない。しかし、日本では、見た目のクレームが多いのも事実である。原薬輸入商社の品質保証部長だった時、原薬サプライヤーが原料メーカーを変更した時、原薬の性状である「白色から淡黄色」の範囲だったが、若干、黄色みが濃くなる事例があった。その他の規格に問題がなかったが、製剤にしたときに、若干、赤みを帯びてしまい、ある患者が色の変化に気づき、クレームとなった。多くの者にとって気づかないことで、承認規格上、問題ないことでも、その患者を不安にさせたことは事実である。医薬品は、患者を不安にさせてはならない。その不安が服薬の拒絶にもつながる。その為には、この変更も、患者に対して、適切に情報提供されていれば、不安にさせることはなかったはずである。何もかも情報提供し、却って患者を不安にし、服用されないことも避けなければならない。情報の取り扱いにおける難しい点でもある。
ドラマ「アンサング・シンデレラ~病院薬剤師の処方箋」がフジテレビで放映されている。原作はコミックとのことであるが、医療ドラマが多い中、薬剤師が主人公のドラマは初めてらしい。病院において、薬がどのように扱われているのかを知る機会にもなる。一部、ドラマだなと違和感が生じることやそんなことはないだろうと思う場面はある。しかし、製薬企業の従事者が知らぬことは多くあり、自分たちが製造した薬がどのように患者へ提供されるかを知る機会となる。製薬企業の従事者ならば、MR(医薬情報担当者)が主人公のドラマ「私の家政夫ナギサさん」2)もTBSで放映されている。MRが薬に関する情報を医師等の医療従事者に伝えていく場面が多くはないが、描かれている。残念ながら、薬剤師の登場はないが、製薬企業に勤務する薬剤師として、両ドラマとも今後の展開が気になる。
「アンサング・シンデレラ」第2話で、クラリスロマイシンの服用を子どもが嫌がり、母親が苦悩する場面があった。オレンジジュースに溶かすと、コーティングが剥がれ、苦くなるため、薬剤師が服薬指導し、チェコレートアイスに混ぜることで、飲みやすくなることが描かれていた。添付文書には、記載されていない点である。薬の開発では、いかに飲みやすくするかを考えて、コーティング等を施している。しかし、この場面、いっしょにカルボシステインが処方されており、同時に服用することで、カルボシステインが酸性のため、コーティングが剥がれ、苦みが増すことになる。医療の現場において、どのように薬が提供されるかを知ることで、顧客が求める医薬品の提供ができるのである。
薬は、身近に存在するものでありながら、その中身について、患者に知らされていない。医薬品の情報提供は、薬機法でも求めており、薬局は、適正に医薬品の情報提供をしなくてはならない。正しく服用されなければ、医薬品として期待する効果が得られない。しかし、少子高齢化の中で、服用すべき薬も増え、残薬の問題も生じている。飲み忘れや患者の勝手な判断もあるだろう。服薬指導は、そのような状況の中だからこそ、重要となる。製薬企業は、添付文書だけでなく、MR活動も含め、薬局での医薬品の情報提供、服薬指導に貢献しなくてはならない。医薬品の情報も品質である。
情報は、提供するだけではない。医薬品において、収集する情報も重要である。GMP省令で求められるクレーム等の品質情報も重要である。その情報の正確であることとそのクレームに対するCAPAシステムを稼働させることも求められる。また、GVPで求められる副作用等の安全情報も重要である。医薬品の品質は、変色している場合など見た目で分かることが少ない。しかし、日本では、見た目のクレームが多いのも事実である。原薬輸入商社の品質保証部長だった時、原薬サプライヤーが原料メーカーを変更した時、原薬の性状である「白色から淡黄色」の範囲だったが、若干、黄色みが濃くなる事例があった。その他の規格に問題がなかったが、製剤にしたときに、若干、赤みを帯びてしまい、ある患者が色の変化に気づき、クレームとなった。多くの者にとって気づかないことで、承認規格上、問題ないことでも、その患者を不安にさせたことは事実である。医薬品は、患者を不安にさせてはならない。その不安が服薬の拒絶にもつながる。その為には、この変更も、患者に対して、適切に情報提供されていれば、不安にさせることはなかったはずである。何もかも情報提供し、却って患者を不安にし、服用されないことも避けなければならない。情報の取り扱いにおける難しい点でもある。
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