FDAの対応すべき医療機器規制について【第10回】

2020/08/14 医療機器

"QSRによる品質システム構築にあたり、要求事項の持つ意味をきちんと理解している必要があります。特に、ラベリングについては、その誤りがあった場合にリコールとなってしまう厳しい対応が求められる要求事項のため、FDAがわざわざsec. 820.120項を設けています。。そのポイントはラベルの完全性にあることを理解し、対応する必要があります。【第10回】 の本記事では、ラベリングの要求事項について解説します。


まず、ラベリングでは以下のような要求事項が求められています。
 
21 CFR 820.120機器のラベリング[4] 各製造業者は、ラベリング活動を管理する手順を確立し、維持すること。

(a)ラベルの完全性 ラベルは、工程、保管、取扱い、流通、および適切な場合の使用の通常の条件下において、判読可能で剥がれないように印刷され貼り付けられること。

(b)ラベリングの検査 ラベリングは、適切な場合、機器固有識別子(UDI)またはユニバーサル・プロダクト・コード(UPC)、有効期限、管理番号、保管に関する指示事項、取扱いに関する指示事項、およびすべての追加の処理の指示事項を含み、指定された個人がラベルの正確性を検査するまで、保管または使用のためにリリースされないこと。検査を行った個人の署名および日付を含むリリースは、DHRに文書化されること。

(c)ラベリングの保管 各製造業者は、適切な識別を提供し、混同を防止するように設計された方法でラベリングを保管すること。

(d)ラベリングの作業 各製造業者は、ラベリングの混同を防止するために、ラベリングおよび包装作業を管理すること。各製造ユニット、ロットまたはバッチで使用されたラベルとラベリングは、DHRに文書化されること。

(e)管理番号 820.65により、管理番号が必要となる場合、その管理番号は流通の間は機器上にあるか、または流通に伴って機器に付帯すること。
"

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執筆者について

細田 誠一

経歴 東京電機大学卒。オリンパス光学工業(株)、オリンパスメディカルシステムズ(株)、オリンパス(株)にて、医療用内視鏡システムの設計・開発、製造と工程管理、品質保証と多岐に亘る業務担当の経験を重ね、グループ子会社の工場品質部門にて品質システムの管理責任者、オリンパスメディカルシステムズ製造部門にてプロセスバリデーション推進、本社品質保証部門にてCAPA活動推進の責任者の任務を遂行しました。FDA査察/MDD 監査/QMS 適合性調査における実践対応の経験、および定期FDA査察においてNAI(No Action Identified)に導いた実績があります。定年退職後、現在はコンサルタント、セミナー講師、書籍等への執筆活動を進めております。
資格等
IRCA品質マネジメントシステム審査員補
(公財)日本医療機器センター QMS講習会検討委員
未来医学研究会会員
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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