MHRAが巨大な偽造事件について発表

 MHRA(イギリスの医薬品・医療製品規制庁)は、国際捜査の一部として、1580万ポンド相当額の偽造・無許可医薬品および医療機器を押収したと発表した。潜在的な有害性を持つ大量の痩せ薬、勃起障害用錠剤、貧血用錠剤や睡眠薬が含まれ、英国で記録されている過去最大の押収事件となる。無許可の外国医薬品や偽造コンドームも発見され、排除された。1ヶ月間のインターネット違法販売に対する国際的な取り締りによって、5160万ポンド相当が押収された。
 
 「Operation Pangea VIII」と呼ばれるインターポールが支援した取り組みにより、2015年6月9日から16日まで1週間の強制捜査が行われ、全世界で156件の逮捕に結びついた。この取り組みは、偽造・無許可医薬品を提供していたウェブサイトを目的にし、それらのドメイン名および支払方法の排除や停止に繋がる。MHRAの執行官は地元の警察と協力し、潜在的に有害性を持つ薬品のインターネット違法供給に関連する住所を強制捜査し、約620万個の偽造・無免許医薬品を押収した。因みにその内の15,000個は、1580万ポンド相当額の医療機器であった。
 
 英国の取り組みの結果、英国国内の339ウェブサイトを含め、1,380サイトが閉鎖された。「Operation Pangea VIII」の取り組みは、インターネットを利用して販売促進をしている医薬品・医薬機器犯罪への国際的な対応である。今年の英国の押収事件の分析から見ると、偽造・無許可のライフスタイル薬品、または英国の1971年薬物乱用法で制御されるべき医薬品が増えている傾向がみられた。英国で押収された薬品の大半はインド、中国、香港、シンガポールから来ていた。
 
 FDA (米国食品医薬品局) も、インターネットで販売されている、潜在的危険性を有する偽造医薬品や医療機器から国民を保護するために、「Operation Pangea VIII」の取り組みに参加した。「Operation Pangea VIII」の一部として、FDAは米国の患者に、未承認もしくは不当表示の処方薬を提供している約400サイトの運営者、そして未承認や不明医療機器をオンラインで配布する9つの企業に対して行政警告を発行した。FDA監察官は、他の連邦機関と協力し、取組期間中、シカゴ、マイアミ、ニューヨークで国際郵便施設 (IMFs) から受け取った違法医薬品及び医療機器のチェックを行った。スクリーニング後、814個の小包が保留扱いにされ、適切なFDA事務所がフォローアップを行った。尚、米国連邦食品医薬品化粧品法に違反する小包の入国を拒否した。FDA内の多数のセンターおよびオフィスも、2015年6月9日から6月16日にかけて実行された「Operation Pangea VIII」の強制措置行動に参加した。
 
 「Operation Pangea VIII」で標的とされた、ブランド医薬品のジェネリックに相当し、ネット上で違法に販売されている未承認処方箋医薬品の例はつぎの通り:
「ジェネリック Nolvadex」、 「ジェネリック Meridia」、 「ジェネリックValium」、 「ジェネリック Truvada」、 「ジェネリック Advair Diskus」
 オンラインで違法に販売され「Operation Pangea VIII」で標的とされた医療機器の例は「The Ondamed System」や 「Colon Care Products of PA Open System Colon Hydrotherapy Device (Grace)」また「Interfall Hydrogel polyacrylamide dermal filler」、「Dermafil hyaluronic acid dermal filler」、「Teosyal hyaluronic acid dermal filler」といった違法な皮膚充填剤がある。

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