高活性医薬品向けガラスバイアル用セーフティーパッケージの開発

2019/06/10 新技術


記事投稿:株式会社岩田レーベル

はじめに

 抗がん剤については、以前より、人体への汚染、曝露が問題となっており、「抗悪性腫瘍剤の院内取り扱い指針」(日本病院薬剤師会)をはじめ、「看護職の社会経済福祉に関する指針-看護の職場における労働安全衛生ガイドライン」(日本看護協会)、また、それらを基に各自治体、医療機関にて発行される「抗がん剤調製マニュアル」等でその取り扱いが定められている。
 医療機関においては、それらの取り決めに基づき、調剤室の環境整備、ガウン、ゴーグル、マスク、キャップ等の着用による防護体制の遵守などが進められてはいるものの、その普及率も完全ではなく、また、製剤毎の調剤の多様化、複雑化により、医療従事者の身体的及び精神的な負担も大きなっており、それに伴い、取り扱い時における汚染、曝露の潜在的リスクも大きくなっている。
 また、取り扱いに対するこれらの対応と同様に、包装体にも破瓶や曝露の問題に対する対応を求められてはいるが、特に、ガラスバイアルにおいては、梱包、個装箱における緩衝効果の付与などはなされているものの、バイアル自体の汚染や人体への曝露に繋がる破瓶、汚染を考慮するものは存在しなかった。
 一方で、抗がん剤は、昨今におけるその患者数の増加に伴い、新薬開発におけるターゲットの一つともされており、それに伴い、人体への汚染、職業性曝露の問題についてはこれまで以上に注目され、それに対応する包装体の要望も増加しており、今回、破瓶及び曝露防止機能を有する包装体 「バイアルプロテクトパック(Vial Protect Pack)」 の開発を行った。
 

1. バイアルプロテクトパック (Vial Protect Pack(VPP))の構成

(1) バイアルプロテクトパックI (VPP I)

皿状の樹脂プロテクター上にガラスバイアルを配置、シュリンクタックラベル(熱収縮性粘着ラベル)を巻き付け、加熱収縮、包装したもの。


写真1 バイアルプロテクトパック Iの構成

 

(2) バイアルプロテクトパックII (VPP II)

ガラスバイアルをコップ状の樹脂プロテクターに入れ込み、シュリンクタックラベルを巻き付け、加熱収縮、包装したもの。


写真2 バイアルプロテクトパックIIの構成
 

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