【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<118号>

株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2017.03.15】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー


桜の開花が待ち遠しい季節になってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

さて、今回は前回に引き続き、米国食品医薬品局(FDA)の製品品質オフィスより発行された
ウォーニングレター(Warning Letter)6通の内容を確認していきたいと思います。
今回も、日本の製薬会社宛に出されたレターもあります。
どんな点が指摘されたのかを確認しつつ、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 
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ウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-17-18
 インドの製造所の原薬製造における重大なCGMP違反に関する2017/1/18付
 ウォーニングレターにおいて、下記の指摘事項があげられています。
 
1.原薬の品質を変えうる汚染や原料のキャリーオーバーを防ぐための適切な洗浄手順を持っていない。
我々の査察官は、製造装置のXXに、さび、虫、傷んだ内面、薬の残留物を発見した。この装置は、“クリーン”と判断され、原薬と直接接触、または、接触する可能性がある。貴社の不完全な洗浄と保守の手順は異質の汚染物質の取り込みまたは薬同士の交差汚染といった受け入れ難いリスクを招く。
貴社の回答によれば、汚れを除き、製造装置の修理をするための是正処置と予防処置(CAPA)を開始した。しかし、貴社の回答は、洗浄手順、総合的な保守プログラム、この装置を使用して製造されたバッチの調査に関する詳細の改善になっていなかった。
2.貴社の品質部門が、貴社の設備で製造された原薬がCGMPに従い、制定した品質及び純度の規格を満たしていることを保証する責任を果たしていない。
我々の査察官は、2014年6月30日に、アメリカ薬局方の原薬XXのバッチXX、XXは、UVが正常に動作しなかったため、同一性やXXの内容物に関する紫外線分光測定によるテストをせずに出荷されたことを発見した。
貴社の変更管理用紙には、“バッチは、条件付きで出荷し、UVの保守問題が修正されたら、同一性とXXの内容物に関する分析を実施する”と述べていた。
貴社の2014年6月30日の分析証明書には“UVとXXの結果は更新する”と述べていた。
しかし、査察官は、同一性とXXのテストは実施されなかったことに気付いた。貴社の原薬が、品質特性を満たすことを保証するために要求された品質管理試験を実施せずに販売されることは容認できない。
3.全ての製品の逸脱が報告され、評価され、重大な逸脱は調査され結論が記録されることを確実にすることを怠っている
我々の査察官の2014年と2015年の製品年次品質照査(Annual Product Quality Review : APQR)のレビュで、8件の重大な処理パラメータの不具合があったことが明らかになった。さらに貴社は3つの重大な逸脱につき、バッチの廃棄決定に先立って、適切な調査を行わなかった。
4.貴社の原薬が制定した品質・純度の規格に従っていることを保証するためにテスト手順が科学的 に理にかなっていて適切であることを保証していない。
貴社の顧客の苦情をレビュ中、我々の査察官は、バッチXXの水分含有量の不具合に関する2014年9月  13日の苦情を見つけた。規格の範囲では、水分含有量をXX%からXX%であった。貴社はバッチの出荷  判定時、水分含有量をXX%と測定したが、苦情申立者はXX%と測定した。
貴社の試験室で実施した回顧的分析は、貴社が顧客に提供したXXの全てのバッチに関して顧客の  試験室で得られた水分含有量より低い値を報告した。我々の査察官は、貴社が水分含有量の測定方法  をバリデートしていなかったことを明らかにした。  貴社の回答によれば、貴社は水分含有量のバリデーションを完了したとのことだった。しかし、貴社は、バリデートされていない方法でテストされた出荷済の原薬のバッチの調査を詳しく述べて  いないので、貴社の回答は適切でない。 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm538693.htm

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