GMP文書管理 ~Data Integrityを踏まえた文書・記録の作成と管理~【第3回】

第3章 作成すべきGMP文書:その2
1. 三大基準書
前回は、医薬品を製造する作業のバイブルであるとも言える「製品標準書」について解説した。
医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)(平成16年12月24日厚生労働省令第179号)には、製品標準書の他にいわゆる三大基準書の作成、保管が求められている。
東京都健康安全研究センターのホームページに、各基準書の基本的な考え方が紹介されている。分かりやすい表現で要求事項がまとめられているので、初任者の教育訓練等で活用したい。
≫ 製造管理基準書
・原料を量ったり、混ぜたりする作業は、定められた指図書に従ってやりましょう。
・作業をしたら、「ちゃんと作業をした証拠」として、記録に残しましょう。
・製造に必要な器具は定められた方法で点検しましょう。
・試験検査合格前後の製品を区別して保管しましょう。
・製品は保管条件を守って保管しましょう(温度・湿度など)。
・勝手に誰もが製造室に入らないようなルールを決めましょう。
・製造管理がきちんと行われていることを品質部門へ報告します。
≫ 衛生管理基準書
・掃除の頻度と手順を基準書で定められた方法で行いましょう。
・それを確認して、記録に残しましょう。
・従業員の作業着への着替えや手洗いを定められた方法で行いましょう。
・従業員の健康状態を把握しましょう(健康状態が悪い状況で医薬品の製造を
するのはN.G.)。
・衛生管理がきちんと行われていることを品質部門へ報告します。
≫ 品質管理基準書
・試験検査の手順や判定の手順を定められた方法で行いましょう。
・試験結果は記録に残しましょう。
・試験器具の点検・校正の頻度や手順を定められた方法で行いましょう。
・試薬の保管方法を定めましょう。
・製造部門から報告された内容を確認しましょう。
・試験検査結果を製造部門に報告しましょう。
・(輸入したものは)外国製造所がGMPに適合しているか確認しましょう。
・(輸入したものは)外国製造所での試験結果を確認しましょう。
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