GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第12回】
1.不平不満
GMPの現場だけでなく、いろいろな職場において不平不満はあると思う。その不平不満をただの文句と片付けていないだろうか。実際の作業でやり難さなどがあるはずである。実は、そこにヒューマンエラーなどの逸脱やヒヤリハットの要素を含んでいることは多い。従事者がそこに問題意識を持ち、そのやり難い状況を改善する意欲まではないが、まず、気が付くことが必要である。手順書が分かりにくい、記録が多すぎる、器具の保管場所が遠い、連絡が遅い等々、きっと、数多くあることと思う。実際の作業において、もし、何もなく、作業者の不平不満もなく、逸脱0の製造所があるならば、多分、稼働率も低い、製造数量も少ない施設であろう。100%の人が満足することはない。些細なことでもいいので、不平不満をマネージャーは聞き留めることが必要である。

第1回で、ハインリッヒの法則1)を述べたが、ヒヤリハットの集計をするは大変である。ヒヤリハットは逸脱でもなく、CAPAまでする必要はないだろう。作業者自身から不平不満という問題意識を持ってもらうことにより、業務改善に結びつけることが必要である。QA業務における不満は、連絡等の情報不足のことが多い。逸脱や変更管理で、現場からの回答が遅いなどはよく聞くことである。結局、コミュニケーション不足である。情報共有のために、定期的な会議をすることも多いが、定期的な会議では、情報が遅くなる。また、いろいろな問題を取り上げることとなり、結局、会議で、結論やその方向性を決定できないことが多くなる。もし、ミーティングを行うなら、その関連する部署や人を限定し、他人ごとにならないように会議を進める必要がある。その上で、その事態の解決方法や方向性(私はよく「落としどころ」と言っている)を見出すことになる。CAPAの予防措置として、横展開を行うことも重要だが、単なる情報の共有化ではなく、各部署が自分自身にも起こりうる問題として認識しなければ意味がない。行政はよく縦割りといわれるが、組織が大きくなれば、縦割りとなり、情報の共有化も難しくなる。また、立場により、意見も変わる。品質も大事だが、安定供給も大事なんて、意見が対立することも多いだろう。患者の生命に関わる医薬品だからこそ、その品質は大事だが、パッケージのデザインまで、品質として取り扱う必要はない。医薬品の情報としての表示ならば品質として取り扱わなければならないし、その品質に影響する直接の容器も重要である。しかし、コスメティックな部分まで品質とすることもない。従業員が品質に対して認識し、その不平不満が品質に影響するかどうかを考えることが必要であろう。それがリスクマネジメントとしての活動にもなることを認識すべきである。
GMPの現場だけでなく、いろいろな職場において不平不満はあると思う。その不平不満をただの文句と片付けていないだろうか。実際の作業でやり難さなどがあるはずである。実は、そこにヒューマンエラーなどの逸脱やヒヤリハットの要素を含んでいることは多い。従事者がそこに問題意識を持ち、そのやり難い状況を改善する意欲まではないが、まず、気が付くことが必要である。手順書が分かりにくい、記録が多すぎる、器具の保管場所が遠い、連絡が遅い等々、きっと、数多くあることと思う。実際の作業において、もし、何もなく、作業者の不平不満もなく、逸脱0の製造所があるならば、多分、稼働率も低い、製造数量も少ない施設であろう。100%の人が満足することはない。些細なことでもいいので、不平不満をマネージャーは聞き留めることが必要である。
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