EU-GMP Annex 15: Qualification and Validation 改定案に対するコメント(4)

2014/07/07 製造(GMDP)

 本連載では、EU-GMP Annex 15のドラフト版に対する、GMP Platform(GMPP)の考え方を、条文ごとにコメントして行きます。引用した条文の翻訳は青字で、GMPPのコメントは黒字で表しました。あくまで、GMPPとしての解釈です。皆様のご指摘・ご質問・ご討論をお待ちしています。
 
※ご意見はこちらのフォームをご利用し、お送りください。
________________________________________
5.    VERIFICATION OF TRANSPORTATION/輸送のベリフィケーション

5.1.    最終医薬品、治験薬、バルク製品、サンプル等は、製造販売承認や製品規格に定められた、あるいは製造者によって決められた条件に従って輸送すること。

5.2.    輸送のバリデーションは輸送に関わる変動要因により困難になる可能性があることは認識されているが、輸送経路は明確に定義すること。大陸間を輸送する場合は、季節変動を考慮すること。

5.3.    リスク評価を実施し、輸送中の温度以外の条件、例えば湿度、振動、取扱、遅延、データロガーの故障、液体窒素の補充、製品の感受性、その他の関連する要因等、の影響を考量すること。

5.4.    輸送中に予想される変動条件、例えば空港での遅延、によって、製品が曝される可能性があるクリティカルな環境条件を連続的にモニタリングすること。

________________________________________
 輸送について、初めてバリデーションの項目に記載されましたが、輸送を一定の条件で実施しバリデーションとして評価することは困難であることが多く、現実的には輸送ベリフィケーションとして実施し、想定される輸送環境の変化を考慮してモニタリングを強化することで対応する必要があります。
________________________________________
6.    VALIDATION OF PACKAGING/包装のバリデーション

6.1.    一次包装装置の工程パラメータの変動は、包装(例えばブリスター、小袋、無菌)の完全性と機能に大きな影響を与える可能性がある。従って、一次包装工程はバリデーションの対象とすること。

6.2.    上記の包装タイプに対する機械的な設定値のクオリフィケーションは、温度や運転速度、シーリングの圧力のようなクリティカルなパラメータ、あるいはその他の要因に対して設定された作動範囲の最少と最大で実施すること。

________________________________________
 包装は全数検査可能な規格も多く、これらのプロセスバリデーションはGMPの要求事項とはなりませんが、製品の品質に影響があると考えられる一次包装はプロセスバリデーションの対象になり、使用する包装設備は運転条件のワーストケースを考慮してクオリファイする必要があると明記されました。


 

3ページ中 1ページ目

執筆者について

GMP Platform事務局

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

4件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年7月2日(水)10:30-16:30~7月3日(木)10:30-16:30

門外漢のためのコンピュータ化システムバリデーション

2025年8月21日(木)10:30-16:30

GMP教育訓練担当者(トレーナー)の育成

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます