【第19回】中国への第一歩:初めての訪問者のための生活と文化のプチガイド ~様々なトピックに焦点を当てて~

中国の国内地域格差

 中国は世界第2位の経済大国である一方、都市部と農村部、東部と西部、沿海部と内陸部といった地域間で著しい格差が存在します。この格差は、収入、戸籍、社会保障制度など様々な面で顕著に表れています。

1.収入差(都市と地方)
 中国国家統計局のデータによると、2022年の中国における都市部住民の一人当たり可処分所得は47,403元(約85万円)であったのに対し、農村部住民の一人当たり可処分所得は17,935元(約32万円)にとどまり、都市部と農村部の所得格差は約2.6倍となっています。
 この格差は、経済発展の恩恵が都市部に集中していることが主な原因です。中国政府は改革開放政策以来、沿海部の都市を中心に経済開発を進めてきたため、これらの都市では製造業やサービス業が発展し、高賃金の仕事が多く存在しています。一方、農村部では農業が中心産業であり、賃金水準が低く、貧困率も高くなっています。

<富裕地域>
一般的に、東部沿岸部の都市部や一部の内陸部の省都では経済が発展しており、比較的富裕な地域と言えます。
 東部: 上海市、江蘇省、浙江省、広東省など
 内陸部: 北京市、重慶市、四川成都、河南鄭州など

<貧困地域>
一方、中西部の農村地域や一部の内陸少数民族地区では、経済発展が相対的に遅れており、貧困地域が存在します。
 西部: 新疆、青海、甘粛、雲南の一部地域
 中部: 貴州、広西、湖南、安徽の一部地区

2.戸籍(都市部/地方)
 中国の戸籍制度は、1958年に導入され、中国人の戸籍は都市戸籍と農村戸籍の2種類に分けられています。戸籍によって、教育、医療、就職、社会保障など様々な面で差別が存在します。農村戸籍保有者は、教育、医療、社会保障などの面でつねに都市戸籍保有者より不利な状況に置かれてきました。
 都市戸籍は、都市部での教育、医療、就職などのサービスを受けられる権利を与えられます。一方、農村戸籍は、都市部でのこれらのサービスを受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。

 

 

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