製造所でのQCの出荷試験とは
「医薬品における規格とは?」の問いへの考察
その問いはPHARM TECH JAPAN Onlineの記事にありました。
答えの選択肢は2 つです。
① 試験サンプルを供したロット
② 試験サンプルのみ
ということで、規格及び試験方法に記載されている方法で医薬品を試験した場合、保証されるのは試験したサンプルだけである、というのが筆者の結論です。
『ゼロから学ぶ医薬品品質統計 医薬品における規格とは?』 (PHARM TECH JAPAN Online 2025/12/05)
https://ptj.jiho.jp/article/165011 より引用(一部中略、太字は筆者(脇坂)による)
なるほど、こういう視点もあったのかと思いました。確かにその通りです。サンプルだけなら、ロットを保証していません。医薬品製造所ではロットを保証していないのに、試験結果が適合なら出荷していることになります。
「ということで、規格及び試験方法に記載されている方法で医薬品を試験した場合、保証されるのは試験したサンプルだけである」というのが筆者(福田 晃久氏)の結論です。そうであるならば、「試験されていない、患者さんが服用されるお薬の保証はどうなっているの?」との疑問を持ちませんでしたか?
この疑問に関し、自分なりに考えてみました。ぜひ皆さんも考えて見られると楽しく、かつ学びになるかと思います。
私の考えは以下です。
「保証はバリデーションと日々のGMP管理で保証しており、試験はその確認のためのモニタリングである」
医薬品は日本薬局方または承認書の試験が適合することだけでなく、製造のバリデーションが実施されることがベースです。そして個々のロットはGMP管理下で製造されコントロールされて、初めて医薬品の品質を保証しています。そのためGMPの管理が必須です。
その端的な例が注射剤の無菌保証です。無菌試験で保証しているのは、まさにその試験サンプルだけです。無菌試験は破壊試験ですから、無菌性の保証は試験では100%ではありません。
ゴルゴ13(マンガ)は射撃技術に長けていました。ゴルゴ13の凄いところは、弾の品質管理も行っていました。
①信頼できる職人から購入する
②定期的に職人の現場を見に行く
③100弾中、99発を試し打ちして問題ないことを確認し、最後の1弾を実際に使う
医薬品の原料・資材の保証と似ています。違うのは99%の破壊試験はできません。
これまで不発弾を造って来なかった職人が余命少しの病に侵されました。その職人は「もし一発不発弾を入れたらどうなるか?」を試してみたくなりました。そして意図的に入れました。ゴルゴ13の“受入れ試験”(100発中99発試し打ち)をして残りの1弾を使いました。襲撃機会に弾は発射せず千載一遇のチャンスを逃しました。つまり受入れ試験は100%保証できないのです。
試験だけの保証は弱いということです。そのため注射剤の無菌性を保証するために“バリデーションでの保証”がスタートしました。
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