GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第79回】

 

原料の問題


1.機能性表示食品から腎疾患発症
 機能性表示食品である「紅麴」に未知の成分が混入し、死亡者、入院者など健康被害を生じた。青カビから生成される天然化合物であるプベルル酸が原因と考えられているが、どのように混入したかはまだ不明である。漢方薬の原料として、植物、動物等においても混入する可能性がある。異物が混入した時に、どの工程で混入したかをまず検討することが必要である。

NHK 2024年4月19日 21時56分 
小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、厚生労働省が国の研究所で健康被害の訴えがあった紅麹原料のサンプルを分析した結果、会社側から報告された「プベルル酸」のほかに、少なくとも2つの通常は入っていない物質が確認されたことが関係者への取材で分かりました。厚生労働省は、物質の特定を進めるとともに健康被害の原因の解明を急ぐことにしています。
小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題では、厚生労働省が、会社側から過去3年分の紅麹原料のサンプルの提供を受けて、国立医薬品食品衛生研究所で分析を進めています。


 今回のケースでまず考えるべきは、「プベルル酸」として混入したか、「青カビ」として混入し、紅麴で「プベルル酸」が生成されたかを考えなければならない。今回、プベルル酸のほかに、2つの通常は混入していない物質が確認されたと発表があった。プベルル酸と同様に、青カビから生成されたか、混入した原因が異なるかを検討する必要がある。青カビは自然界で多く、湿度、温度、養分が揃うと、大量発生する。青カビは総省であり、300種類以上が確認されている。
 紅麹原料製造は大阪の工場である。原料の一部から原因になったと思われる青カビ由来の「プベルル酸」が検出された。大阪工場は、老朽化が進み、製造工程で相次いでトラブルが発生している。従業員に対して、衛生管理教育を行い、出荷前に異物混入などがないか検査をしているので、品質には問題ないとしている。また、毎回、消毒を行っているので、健康被害は生じないと会社側は説明している。ここで、問題点は、
 ・従業員に対する衛生管理教育の内容と従業員の理解度
   → GMP省令で求められた教育訓練の実効性評価
 ・トラブルに対する調査と改善措置
   → GMP省令での逸脱管理及び改善措置、品質リスクマネジメントの検討
 ・異物混入等に対する検査の内容とその結果
   → 検査項目とサンプリング数量の確認
 ・毎回行う消毒方法とその効果
  → 消毒による効果判定(青カビ及び今回混入したと思われるプベルル酸を排除)
 今回の製品は、食品のため、GMPの対象ではないが、健康食品であるため、健康状態に不安がある方々が摂取している。医薬品は、疾患の方が服用するため、その安全性が問われる。異物混入や副作用により、効能効果が妨げられることないよう、品質保証をしなければならない。

 

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