GMP管理とデータインテグリティ【第4回】

"1. 生データ
 データインテグリティを考えると、まず、生データの取り扱いだろう。医薬品の場合、開発研究とQC業務において、生データの取り扱いが多いと思う。生データについて、GMP事例集1)に記載がある。
[問]GMP20-5(文書等の管理)GMP20-4でいう「生データ」にはどのようなものが該当するか事例を示してほしい。
[答]設問の「生データ」とは、最終結果を得るために使用した元となるデータ及び最終結果を得るに至った過程を含む記録のことをいい、最終結果が正しく出されたことを検証することができるものであることが必要である。例えば、試験検査に係る生データとしては、次のものが挙げられる。
1. 測定機器からプリント機能により出力されるデータ
2. 記録計から出力されるチャート又は読み取った値を記録したもの
3. 測定機器に表示される値を書き取ったもの
4. 観察結果を書きとめたもの
5. チャートなどの波形データを電子的に記録したファイル
6. 写真
7. 上記のデータを使用し計算、換算等を行った際の過程を記録したもの等

 多くの分析装置は、コンピュータをもち、その結果をプリントアウトする。その結果は、データインテグリティとして問題ないか。真正性、見読性及び保存性が確保されているか、確認しているだろうか。秤量器のプリンターが感熱紙を使用していて、長期に保存すると、読み取りできなくなってしまうので、コピーをする場合、そのコピーの内容を確認する必要がある。写真では、プリントアウトすると、色調が変わったりしないか、データとしての写真が読み取れなくなることがないかの確認も必要となる。ただし、そのデータが正しい結果であることが確認されたもの、つまり、真正性が確保されていることは言うまでもないことである。


2. QC業務の関わる記録類
 QC業務に関わる記録は多くある。当然、データインテグリティが確保されていなければならない。ここで、GMP省令2を確認してみよう。
(品質管理)
第十一条 製造業者等は、品質部門に、手順書等に基づき、次に掲げる製品の品質管理に係る業務を計画的かつ適切に行わせなければならない。
一 製品等についてはロットごとに、資材については管理単位ごとに試験検査を行うの
  に必要な検体を採取するとともに、その記録を作成し、これを保管すること。
二 採取した検体について、ロットごと又は管理単位ごとに試験検査(当該製造業者等
  の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において行う試験
  検査であって、当該利用につき支障がないと認められるものを含む。以下同じ。)
  を行うとともに、その記録を作成し、これを保管すること。
三 製品(医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する
  省令(平成十六年厚生労働省令第百三十六号GQP省令)第九条第二項の市場への出
  荷の可否の決定に供されるものに限る。第二十八条第一項において同じ。)につい
  て、ロットごとに所定の試験検査に必要な量の二倍以上の量を参考品として、製造
  された日から当該製品の有効期間又は使用の期限(以下単に「有効期間」という。)
  に一年(放射性医薬品に係る製品にあっては一月)を加算した期間適切な保管条件
  の下で保管すること。ただし、ロットを構成しない製品については、この限りでな
  い。
四 試験検査に関する設備及び器具を定期的に点検整備するとともに、その記録を作成
  し、これを保管すること。また、試験検査に関する計器の校正を適切に行うととも
  に、その記録を作成し、これを保管すること。
五 第二号の試験検査の結果の判定を行い、その結果を製造部門に対して文書により報
  告すること。
六 その他品質管理のために必要な業務

 QC業務はサンプリングから試験検査だけでなく、その試験検査環境を維持するための設備機器の管理、試薬試液の管理、参考品、安定性モニタリングなど多岐にわたる。データ管理も分析装置におけるデータインテグリティから試験検査の生データ、試験検査結果として製造部門へ報告するデータ等、データインテグリティを確保しなければならない対象ばかりである。"

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