医薬品の技術移転のポイント【第10回】

技術移転時の品質トラブル事例

 過去から学ぶ。他社の失敗は、自社でも起きやすいポイントです。自社だけでなく他社の失敗事例から学び、同じ失敗を繰り返さないことです。多くの会社が同じミス(その会社は初めて)を繰り返しています。とても残念です
 振り込め詐欺が巧妙化しています。騙されないと思っても騙される人が後を絶たないです。対策はいろいろありますが、振り込め詐欺グループの騙しの例を知っておくことです。それが失敗を防ぎます。
 ほとんどの会社は自社の失敗を公開しません。お互いが公開することで学びになると思うのですが、とても残念です。いろいろな視点の失敗事例を紹介します。今回の事例が少しでも将来の失敗を防ぐヒントになりますと嬉しいです。そして品質問題を減らすことができれば、それは薬機法の目的にもかなうことになるのではないでしょうか。

1)新製品のPV失敗 他社の申請が影響した事例
突然、審査管理課から電話がありました。 
「海外の製造所**で製造している製品は毛髪混入では問題ないか?製品は回収しなくてよいのか?問題がないかどうかを報告するように」その海外製造所は2度行ったことがあるので、すぐにわかりました。
 審査管理課から電話があっただけでもドキッとしたのに、「回収しなくてよいのか」と言われ驚きました。「いったいどういうことですか?」と尋ねました。
 「詳しいことは、**社の**さんに尋ねてください」とのことでいっさい説明してくださりません。教えてくださったのは、名前とメールアドレス、他社と担当者の名前と電話番号でした。
 ドキドキしながら電話してようやくわかりました。
その会社が申請した製剤の委託先が海外の同じ会社でした。GMP適合性調査で実査が入り以下のことがわかりました。
 PVで毛髪(対応不備?)/不成立→再度PVで毛髪/不成立と2回もPVが不成立と判断されたとのことでした。ここまでは聞いた話です。これから先が想像です。
 この会社の担当者は海外の会社のQA長に次のように言ったと思います。
 「日本は異物が厳しい。特に毛髪と虫に関しては厳しい。ちゃんと対応して欲しい」
 QA長は次のように言ったと思いました。
 「日本の異物が厳しいのはよく理解している。日本に製剤を製造して輸出しているが異物に問題はない」
 自分たちの製造でのコンタミではなく、原料のせいにしたかったのでしょう。そしてどこの会社か?と尋ねられ、会社名を伝えたのでしょう。秘密保持契約があるのに勝手に名前を言うなと思いましたが、それが審査管理課に伝わり、「こんな酷い製造所で医薬品を造っているなら、きっと毛髪苦情があるのに黙って、製品回収をしていないんだろう」ということで問い合わせがあったようです。

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