エッセイ:エイジング話【第36回】

2022/02/04 施設・設備・エンジニアリング

布目 温

常水基準へ影響を与えた飲料水基準とWHO。

常水基準へ影響を与えた飲料水基準とWHO

 製薬用水出発点になる常水の水質基準が、第十五改正日本薬局方(平成18年発出)より大きく変わりました。水道法による水質基準を常水基準へ一致させたことに依ります。
常水:薬局方で決められた製薬用水の原水、上水/浄水とは発音は同じだが意は異なる。
 これにより常水検査項目数が一挙に3倍へ増加したこと、項目中には飲料に適すると歓迎される項目と歓迎されない項目があると以前指摘しました。
 筆者はかねてからこの改訂には二面性があると考えており、この辺りを水管理に携った立場から少し詳しく取り上げます。
 今回は良い面のほうです。自然水中に存在することが分かり人の健康を害する恐れがある化学物質は、受け入れる時点でチェックが必要です。これは感染症の水際対策と同様に考え工場内設置の受入槽へ害のある化学物質を流入させないことです。
 もし、害のある化学物質が受入槽を経由し水システム内へ流入すると、必ずしも除去できないからです。なぜなら、現状の水システム単位操作では、51項目全てを完璧に排除する機能を有してはいないからです。
単位操作: Unit operation 製造過程で膜分離や蒸発など単一の行為概念、化学工学の分野で使われる。

 

2ページ中 1ページ目

執筆者について

布目 温

経歴 布目技術士事務所
技術士 衛生工学部門:水質管理
1972年栗田工業(株)入社、1992年野村マイクロ・サイエンス(株)入社。2011年布目技術士事務所(製薬用水コンサルタント)開設。製薬用水のスペシャリスト。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

74件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年7月2日(水)10:30-16:30~7月3日(木)10:30-16:30

門外漢のためのコンピュータ化システムバリデーション

2025年8月21日(木)10:30-16:30

GMP教育訓練担当者(トレーナー)の育成

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます