【最近のFDAウォーニングレター】ASTROM通信<87号>
株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。
本稿は【2015.11.30】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
明日から師走。慌ただしい季節になってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
さて、今回は、これまでも何回か取り上げているFDAの製造及び製品品質オフィスから発行されたウォーニングレター(Warning Letter)について見ていきたいと思います。
※文中の“XX”は、ウォーニングレター中でマスキングされている文言です。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
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ウォーニングレター(1)
WL:320-15-15 2015年9月2日 インドの製薬会社に対して(一部抜粋)
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2014年7月14日~18日に行われたインドの製造所査察において、原薬の製造に関し、CGMPからの重大な逸脱が確認され、2014年8月4日付の貴社の回答の是正処置が不十分であった。
1. 開放系の装置の使われている原薬製造用建物の汚染を防止し、適切に維持・修理し、清浄さを保つことを怠った。
例えば、
例えば、
a.査察官は、製造エリアの製造装置の近くで、壁の穴や、ハトが通ることのできる天井の穴を見つけた。
b.外壁に、汚染物が建物に入ることを可能にする管や通風路の隙間や穴があった。
2. 開放系の原薬製造用装置の適切な維持と、汚染リスクを最小化することが不十分であった。
例えば、
例えば、
a.査察官は、開放系の医薬品製造装置の上や周りに、さび、ほこり、潤滑油の漏れ、絶縁材の露出を見つけた。
我々は、貴社が、設備や装置の修理がされておらず、CGMPの要件に従っていないことを認識した後も、アメリカ市場向けの製造を続けたことに注目している。
2014年6月6日付の変更管理に、“GMP標準を達成するために倉庫と設備を改良する”とあるが、2014年7月に、貴社は原薬を製造した。
貴社は、関連するバッチを国内(インド)市場向けに転用すると述べた。
貴社は、FDAの製造設備の査察の通知に基づき、2014年7月12日に製造をやめた。また、貴社は、さまざまな修理や改築を60~90日以内に終えると約束した。しかし、設備は、2011年5月の前回のFDA査察で同様の回答をした時からずっと改修中である。
この違反に対する回答において、貴社は設備を完全に回収すると言う約束を果たしたことを示す写真のエビデンスを提供し、全ての設備がCGMPの要件を満たしていることを示してください。
答には、貴社の製品がCGMP条件のもとで継続的に製造されるように設備や装置が維持されることを保証するための計画も入れてください。
我々は、貴社が、設備や装置の修理がされておらず、CGMPの要件に従っていないことを認識した後も、アメリカ市場向けの製造を続けたことに注目している。
2014年6月6日付の変更管理に、“GMP標準を達成するために倉庫と設備を改良する”とあるが、2014年7月に、貴社は原薬を製造した。
貴社は、関連するバッチを国内(インド)市場向けに転用すると述べた。
貴社は、FDAの製造設備の査察の通知に基づき、2014年7月12日に製造をやめた。また、貴社は、さまざまな修理や改築を60~90日以内に終えると約束した。しかし、設備は、2011年5月の前回のFDA査察で同様の回答をした時からずっと改修中である。
この違反に対する回答において、貴社は設備を完全に回収すると言う約束を果たしたことを示す写真のエビデンスを提供し、全ての設備がCGMPの要件を満たしていることを示してください。
答には、貴社の製品がCGMP条件のもとで継続的に製造されるように設備や装置が維持されることを保証するための計画も入れてください。
3. 全てのテストから得られる完全なデータの保持と、制定された仕様書や標準への合致を保証することを怠った。
2012年6月に製造されたロットについて、重金属分析、残留溶媒分析、分析者名、結果のレビュ者名を含むテストの結果を記録するために”分析試験手順“が用いられた。しかし、査察官に提供された文書は、下記の通りだった。
2012年6月に製造されたロットについて、重金属分析、残留溶媒分析、分析者名、結果のレビュ者名を含むテストの結果を記録するために”分析試験手順“が用いられた。しかし、査察官に提供された文書は、下記の通りだった。
a.重金属分析は実施されていなかった。
b.残留溶媒分析者の名前がなかった。
c.正確さ、完全性、制定された標準への準拠をレビュした者の名前がなかった。
貴社は、後続ロットのテスト結果を提供したうえで、分析テストに関係する職員を再教育していると回答した。また、貴社は“現在のバッチまでの全分析記録をチェックし、見落としエラーの是正処置を実施する”と回答した。しかし、貴社の回答は、分析テストの情報が欠けたロットが出荷されたかどうか、また、情報が欠けているのはテストが実施されていないからなのか、データが記録されていないからなのかを特定していない。また、制定された標準に準拠することを保証するレビュなしに出荷されたかどうかも示してない。
期限内に、アメリカに出荷された全てのロットのリストを提供してください。各ロットについて、完全なテストの情報やレビュの無い状態で出荷されたかどうかを示してください。もし、制定された標準に従わないで出荷されたことを示すデータが見つかった場合は、それらのロットに関する対策の計画を提供してください。
期限内に、アメリカに出荷された全てのロットのリストを提供してください。各ロットについて、完全なテストの情報やレビュの無い状態で出荷されたかどうかを示してください。もし、制定された標準に従わないで出荷されたことを示すデータが見つかった場合は、それらのロットに関する対策の計画を提供してください。
出典:
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2015/ucm462075.htm
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