エッセイ:エイジング話【第32回】
めんどうな役割
コンビニで働いている人が買い物を精算する際に、レジ袋が要るか・要らないか、お客さんに尋ねるのがめんどうと聞きました。
地球規模でプラスチックゴミ削減が推進され、買い物バックを持たずに来店するお客さん用に有料レジ袋が用意され、SMLサイズも聞いてくれます。私は聞かれる前に、手提げ袋を見せますが、いちいち尋ねるのはめんどうな役割だと思うようです。
狭い部屋に多くが住む環境で育った昭和世代は、相手の出方を観察しつつ行動するのが得意というか、そんな役割を演じるよう街中でも育てられたと振り返ります。銭湯では濡れたまま脱衣場へ出ようものなら、怖いおじさんに怒られました。
広い国土に住む人は他人との接触が少なく、相手を見て振舞うのは苦手ではないかと思ってしまう場面を最近のTV画像で見かけます。いちいち周りを構わなくてもよい空間で育ったのでしょう。
コンビニで働く人がお客さんの希望を聞くことを、めんどうな役割と感じる、私が若い頃とは違う恵まれた環境で育った感覚だと印象を持ちます。
米国の田舎町でドラッグストアに入ったとき、通路の床に瓶入りコーラが無造作に並んでいて、通りがかりに2~3本倒してしまったことがありました。私は慌てて並べ治していると、店の奥から“No problem!”と大声が聞こえました。
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