エッセイ:エイジング話【第31回】
直に接する危険を想像
直に接することによって、深刻な事態となった事例を2つ取り上げます。60歳が運転するトラックが、下校中だった学童2名を死亡させる痛ましい事故が起こりました。
学童5名は白線内をルールどおり1列で歩いており、酒気帯びを疑われる運転手が突っ込んでしまったのです。車と人が接する実に悲惨な結末です。
運転者と歩行者で何れが弱い立場なのか明らかです。この事故が起こった道路は、縁石もガードレールも無く、ただ、白線が見える画像が映りました。しらふの運転者ならともかく、酒気帯びが疑われる運転者の目に白線など認識できないでしょう。
さらに道路の下は、畑が広がっており先頭の学童が気付いても、除けられない状況と想像します。またこの道路一帯がスクールゾーン指定だったと知り、周りの大人の想像力の欠如を堪れなくなります。
朝、私の事務所へ向って横断歩道を渡ろうとすると、横からすり抜けようとする車に気付き「ハットする」ことが偶にあります。車は信号が青になれば、道路交通法を守っても右折も左折も出来てしまいます。
勿論、大方の運転者は歩行者を見付け一旦停止してくれますが、偶々見落とす人もあるでしょう。歩行者と車が接する横断歩道でも、運転者は硬いボデーで守られますが、歩行者の方は硬いボデーもなく、歩行者用セイフティバック搭載車の普及はこれからです。
いつ何時、加害者となってしまう心配から加齢による足腰に不安を抱える世代も、機動力も備える最新型軽自動車に憧れを持っても、購入するのは躊躇してしまうのです。
~鈴木自動車コマーシャル写真より~
さて、製薬用水の仕事を始めたとき、他の純水装置との違いを同僚に尋ねたら、「蒸留器を使うことかなー」と返事が返ってきました。
さっそく、蒸留器のカタログを見ると、ピカピカのカラムが並んだ写真がありました。それまでステンレス材容器を使った経験はなく、蒸留器内でスチームと直に接する内部を想像し心配しつつ新しい仕事を始めました。
暫くすると、蒸留水中に異物を認める現場に遭遇し、蒸留器内が過酷な状態にある現実を認識しました。
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