Quality Culture【第9回】

"GMP省令改正で教育が上級経営者の責任になります。これはICHQ10の考えが反映されています。
ICH Q10 医薬品品質システム(https://www.pmda.go.jp/files/000156141.pdf 2020/9/14 参照)

2. 経営陣の責任
 リーダーシップは、品質に対する全社的なコミットメントを確立、維持、 および医薬品品質システムの実効性のために、必要不可欠である。 
2.1  経営陣のコミットメント  
(a) 上級経営陣は、品質目標を達成するために、医薬品品質システムが有効に機能して いること、また、役割、責任及び権限が規定されており、会社全体にわたり伝達され実施されていることを確実にする最終責任を有する。
(b) 経営陣は以下のことを行わなければならない: 
(1) 実効性のある医薬品品質システムの設計、実施、モニタリング及び維持に参画すること; 
(2) 医薬品品質システムに対する、強力で目に見える形の支持を明確に示し、組織全体における実施を確実にすること; 
(3) 品質に関する問題を適切な役職の経営陣に上げるために、適時で有効な情報伝達及び上申プロセスを、確実に存在させること; 
(4) 医薬品品質システムに関連する全ての組織ユニットの個々人及び組織全体の役割、責任、権限及び相互関係を規定すること。これらの相互のやりとりが組織の全階層に確実に伝達され、理解されるようにすること。医薬品品質システムのある種の責務を満たす権限を有している独立した品質ユニット/部門は、各極の規制により要件化されている。
(5) 製造プロセスの稼働性能及び製品品質並びに医薬品品質システムに対するマネジメントレビューを実行すること; 
(6) 継続的改善を推奨すること; 
(7) 適切な資源をコミットすること。 
2.2  品質方針
2.3  品質計画

(a) 上級経営陣は品質方針を実施するため必要とされる品質目標が規定され、及び伝達 されることを確実にしなければならない。 
(b) 品質目標は企業の関与する全ての階層から支持されなければならない。 
(c) 品質目標は企業の戦略に合致し、品質方針と整合していなければならない。 
(d) 経営陣は品質目標を達成するため、適切な資源及び訓練を提供しなければならない。 (e) 品質目標に対する進捗度を測る業績評価指標が確立され、モニターされ、定期的に 伝達され、及び必要に応じて本文書の第4.1章に記述されているように、対応が行われなければならない。
2.4  資源管理 
(a) 経営陣は、医薬品品質システムを実施し、維持し、及びその有効性を継続的に改善 するために、十分でかつ適切な資源(人的、財政的、物的、装置及び設備上のもの)を決定し提供しなければならない。

(b) 経営陣は資源が特定の製品、プロセス又は製造サイトに対し、適切に適用されることを確実にしなければならない。 
2.5  内部の情報伝達
2.6  マネジメントレビュー
2.7  外部委託作業及び購入原材料の管理
2.8  製品所有権における変更の管理 

⇒経営陣の責任が明確に規定されており、かつ十分なリソースと教育訓練の提供が明確にされています。また情報(逸脱/OOSなど)も報告される仕組みづくりが求められています。
 FDAがこれまでの厳しいガイドライン&GMP査察だけでは十分な成果が得られないとのことで、Quality Culture(品質文化)の醸成が大切だと主張し始めました。まさに品質文化の醸成のためのリソースと教育の機会提供は経営陣の大切な責務です。

協和発酵バイオでGMP研修が形だけになっていたとの指摘
 FDAからWarning Letterを貰い、その後山口県から製造業停止と改善命令を貰らいました。そこにはマネイジメント層/経営陣の責任と適切な研修を行っていなかったとの指摘がなされています。この問題はこの会社だけの問題ではなく程度の差こそあれ、多くの会社/製造所が抱えている問題ではないでしょうか?
それでは、指摘事項を確認したいと思います。ここでは、品質文化醸成よりも無理な生産計画とコスト削減が優先された結果、生産とコストにも大きなマイナスをもたらしています。それはICHQ10でいう経営陣が一番大切な課題(リソース提供と教育訓練)を疎かにした結果であり、経営陣が招いた問題だったのではないでしょうか。

医薬品製造業者(協和発酵バイオ)に対する行政処分について
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/201912/045360.html 2020/9/14 参照)
2 処分の内容
(1) 医薬品製造業の業務について、令和元年12月25日から令和2年1月11日まで18日間の業務停止命令
(2) 医薬品製造業の業務改善命令
ア 下記3「原因となる事実」の違反行為の改善を行うこと。
イ 次の事項を含め組織体制を見直すこと。
(ア) 今回の行政処分の原因となった違反行為について、経営層を含めた各責任者の責任を明確にすること。
(イ) 医薬品製造管理者が法及び医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(以下「GMP省令」という。)に基づく管理を適切に行える体制とすること。
(ウ) 製造管理及び品質管理を適正かつ円滑に実施しうる能力を有する責任者を適切に置き、適正に管理を行わせること。
(エ) 製造管理及び品質管理に係る業務に従事する職員に対し、継続的に必要な教育訓練を行い、法及びGMP省令を遵守させること。

⇒まさに、品質文化の醸成が求められています。仕組みとそこに働く人の気持ちを大切にすることが重要になります。そしてそれに貢献する教育の提供、つまり教育の時間だけでなく教育の質についても経営層が責任を持つことと言っています。"

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