BCSのクラス1および3の医薬品を含有する 即放性固形経口製剤の溶出試験および判定基準

2015/11/19 製造(GMDP)

余 知暁

このドラフトガイダンスは、医薬品製造企業が高溶解性の原薬を含有する即放性錠剤とカプセルのNDA(new drug application)、IND(investigational new drug application)、ANDA(abbreviated new drug applications)等の申請を提出する際の助言である。色々な試験方法開発と規格設定をする時、利用するべき標準的な溶出試験とその基準を説明した。最終版は、1997年8月に公布されたDissolution Testing of Immediate Release Solid Oral Dosage Forms (August 1997)と入れ替える。

FDAに提出するNDA、ANDAは生物学的利用能データ、生物学的同等性データ、体外溶出度データ、CMCデータを含み、医薬品の品質とパフォーマンスの特性を示すこと。医薬品承認プロセスのために溶出試験規格を決定する時は、可溶性、透過性、溶出性及び薬物動態学特性を考えるべきである。

BCS (Biopharmaceutics Classification System)は医薬品の水溶性と小腸粘膜透過性に基づき、医薬品を分類するフレームワークである。BSCは4クラスに分類されている。

クラス1:高溶解性‐高透過性医薬品

クラス2:低溶解性‐高透過性医薬品

クラス3:高溶解性‐低透過性医薬品

クラス4:低溶解性‐低透過性医薬品

この分類は体内生物学的利用能と生物学的同等性に関する研究の必要性を決める根拠として使える。また、成功的な体内での結果と体外での結果との相関(vitro-in vivo correlation :IVIVC)の可能性を決める時にも使える。BCSは高溶解性の医薬品の溶出試験は標準化が可能であることを示唆する。溶出度のパフォーマンスに対するインパクトを考えれば、高溶解性により、体外パフォーマンスが下記提言された基準を満たす又は超えれば、クラス1&3製品のリスクは相対的に低いと考えられる。

このガイダンスでは、BCSのクラス1および3の医薬品を含有する即放性固形経口製剤に適用される標準的な溶出方法と規格を説明している。

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執筆者について

余 知暁

経歴 株式会社シーエムプラス中国リエゾンオフィス所長、GMP Platform コンサルタント。
2005年瀋陽薬科大学を卒業、同年日系大手エンジニアリング会社に入社。GMP部門のバリデーションエンジニアとして、日本において新設医薬製剤工場設立におけるバリデーション業務、DQ/IQ/OQ要領書の作成に従事。2010年上海東富龍科技股分有限公司入社。凍結乾燥機のエンジニアリング業務での通訳及び日中間における各種契約事項の調整に携わる。2013年株式会社シーエムプラスに入社。 PMDAによる中国製薬企業原薬工場GMP調査での通訳経験を複数回有し、中国語、日本語、英語と三ヶ国語を扱う。
2018年には中国CFDA(現NMPA)が主催する『日本のGMP査察システムに関する検討会』にメンバーとして参加。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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