業界雑感 【2019年7月】

  半導体材料など戦略物資の輸出管理を巡り、韓国との対立が続いている。出口が見えないばかりか、今後さらに規制を強めることも視野に入れているとのことで、半導体以外の業界でも先行き不安が広がりつつあるという。
 今回の輸出管理の変更対象となった半導体材料に関しては、日本が原材料を輸出し韓国が製品化する、という取引構造なので、原材料の調達が煩雑となってサプライチェーンが滞ることになれば、一義的に困るのは韓国ということになる。医薬品業界の構造は逆で、原料である原薬について2000年代以降、特にジェネリック医薬品の使用促進が謳われるようになってからは、韓国・中国からの輸入依存度を高めている。いろいろな分類があるがその中でも、ジェネリック医薬品で「輸入した原薬をそのまま使用する品目」については、品目数、金額ともに50%近くが輸入原薬であり、その輸入先は韓国が最も多いのも現実である。厚労省はジェネリック医薬品の使用促進策を進めるにあたって、安定供給を確保するために業界に原薬の調達経路の複数化(ダブルソース化)することなどを求めてきた。実際にダブルソース化の比率は2013年度の28.6%から18年度には42.7%にまで上昇しているとのことである。

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