品質に関する承認申請資料について【第3回】

前回に引き続き原薬のQOS記載方法について、順を追って述べる。

 原薬がマスターファイル(MF)に登録されている場合の原薬パートの記載方法について問い合わせを受けることがある。マスターファイル制度から考えるとCTDの原薬パートにはMF登録番号のみを記載して「MF参照」とすることが適当のように思われるが、QOSに開示情報を記載するよう指示されることが多いようである。
~閑話休題~
 

 

2.3.S.3 特性
2.3.S.3.1 構造その他の特性の解明

 合成経路、核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトル及び元素分析等の結果に基づいて構造決定の結果を図表形式で示す。異性体存在の可能性、立体構造の決定、結晶多形等についても記述する。
 本邦では、各種スペクトルも本項に図示するのが一般的であるのに対して、海外では、3.2.S.3.1を参照するとだけ記載するのが一般的である。

2.3.S.3.2 不純物
2.3.S.3.1 構造その他の特性の解明

 予想される不純物につき、有機不純物、無機不純物、残留溶媒等に分け、混入/分解経路等につき考察する。適宜構造式を示して考察する。
 

2.3.S.4 原薬の管理
2.3.S.4.1 規格及び試験方法

 規格及び試験方法の概略表(試験項目名、試験方法名及び規格値/適否の判定基準)を記載する。

2.3.S.4.2 試験方法(分析方法)
 承認申請書に記載した「規格及び試験方法」の試験方法を示す。

2.3.S.4.3 試験方法(分析方法)のバリデーション
 本項には、3.2.S.4.2の試験方法に係るバリデーションについて記載する。それ以外の試験法については、必要に応じて適切にそれぞれ該当する箇所に記載する。
 本邦では、規格及び試験方法に設定した項目毎に分析バリデーションに基づいて実施した結果を表形式またはテキストで記載するのに対して、海外では項目のみ記載してモジュール3を参照するように記載するのが一般的である。なお、原薬が公定書に収載されている場合、バリデートされているとみなされることから本項への記載は不要である。公定書の規格項目以外の試験項目、例えば残留溶媒等の試験方法のバリデーションにつき記載する。
 また、公定書記載の試験方法はバリデートされているとみなされることから、欧米での申請では、例えばUSPの重金属試験やヒ素試験等のバリデーションは不要であるが、本邦では例えJP試験法であっても品目ごとにバリデーション成績の提出が求められる。

2.3.S.4.4 ロット分析
 非臨床試験(毒性試験等)、臨床試験、安定性試験、規格設定等に使用した全てのロットについて、そのロット分析結果を申請資料中の本項にまとめて記載する。ロット番号、製造スケール、製造方法、製造場所、用途、試験項目、試験結果、分析方法等を一覧表で示す。

2.3.S.4.5 規格及び試験方法の妥当性
 規格値設定のために実施した試験データはこの項に記載する。但し、規格値設定のためには、2.3.S.4.4に記載した非臨床試験、臨床試験、安定性試験等で用いたロットのデータに基づく必要がある。
 本邦では実測値、安定性、安全性に基づいた規格値設定の根拠の記載が求められる。一方、海外では公定書の一般試験法に収載された重金属試験の規格値(例えば20ppm以下)等、また公定書に収載された原薬の規格値と比較して遜色ない規格値(含量規格97.0%以上)等は、特段妥当性の記載がない場合がある。
 規格及び試験方法として採用しなかった試験項目及び試験方法について、その理由はこの項に記載する。

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