業界雑感 【2019年4月】

 昨年末以降、「セファゾリンナトリウム」の国内シェアが約6割を占める日医工で、原料となる原薬の異物混入問題により製造が止まったことで、3月上旬に在庫切れとなり、医療現場にも大きな影響が出ているという。セファゾリンナトリウムの先発品は「セファメジン」で、約40年前大学を出でて最初に携わった仕事がセファメジンの製造であるばかりでなく、A社退社前にはそのセファメジンの製造委託を推進していこともあり、ほぼ会社人生を通してともに過ごしたともいえる製品である。思い出の多い製品だけに、今回の問題は心が痛む。

 今回の事案で認識したのが、後発品使用促進策が確実に浸透しているということ。その中で約6割と突出したシェアを獲得しているメーカーで何か問題が起きると、品切れという事態を引き起こしてしまう。先発メーカーの責務はその製品のライフサイクルを通じて一定の品質を確保するだけでなく、絶対に品切れとならない供給体制を維持することにあると肝に銘じてきたのだが、シェアで2倍以上持たれている後発品の供給が止まると、どれだけアクセルを踏んでも追いつくことは困難なのだろうと思う。今回問題となったセファゾリンナトリウムの先発品セファメジンに関しては、昨年4月にLTLファーマに承継されている。

 後発品使用促進や後発品への置き換えが進まない先発品の特例引き下げなど、薬価引き下げ圧力が強まってきたここ数年で、先発薬メーカー各社は長期収載品ビジネスから手を引き始め、ジェネリックメーカーや新規参入のファブレス企業へビジネス譲渡・薬事的には品目承継するケースが増えてきている。品目承継にあたって最も大事なことは市場、いわゆる医療機関や薬局に迷惑をかけない、平たく言えば在庫を切らさないことである。承継はあくまで医薬品の製造販売業者の都合によるものなので、医療機関や患者さんに迷惑がかかってはいけない。その為に短期的には営業・物流部門で在庫の引き渡し(一部包装表示の改装なども含め)をスムーズに行うことが重要となる。

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