医薬生産経営論【第3回】

 今年のゴールデンウィーク、私が心から尊敬する長嶋さんと松井さんへの、あの感動の国民栄誉賞贈呈式の前々日まで、安倍首相はロシアおよび中東3ヶ国を歴訪した。
 政治家や官僚だけでなく、産業界からも多くの代表者を引き連れ、所謂、トップセールス外交を実施した。日本の首相がこのようなトップセールス外交を実施したのは久しくなかったことである。
 長く、経済産業省は、貿易摩擦を恐れ、産業界の成長は市場論理に任せるとし、貿易摩擦の懸念がなくなっている今日に至るまでも、成長のための政策や支援を放棄していたからである。
 
 安倍首相のセールス外交は、トルコで原子力発電所建設を受注するなど一定の評価されるべき成果を見たが、特に注目すべきは、マスクメロン、いちご(「あまおう」)などの日本の農産物や、寿司、蕎麦などの日本食までのセールス外交を実施したことである。
 残念ながら、全中やJA農協はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加に絶対反対であり、農産物の貿易を自由化し関税を廃止すれば、国内農家はすべて壊滅すると強く主張している。
 しかし、トップセールス外交を見る限りでは、日本の農産物の輸出を拡大させ今後10年間で農業所得を倍増させる、という安倍内閣の成長戦略も期待して良い気持ちになる。
 ただし、個人的には、ロシアに同行した銀座久兵衛という超高級鮨店には全く縁がないのが悲しい。
 
 日本国内の店頭では3,000~6,000円の日本産のマスクメロンが中東やロシアでは3~4万円の高い値段で飛ぶように売れ、日本産の林檎は欧州先進国でも2,000~3,000円の高値で売れる。
 欧州市場では、欧州産のAppleと日本産の林檎は区別される。つまり、日本産の林檎はApple ではなく、Ringo というブランドで売られている。そして、留意すべきは、Ringoは稀少だから高値なのではなく、味が極めて美味しくそして安全安心だから、高値で売れるということである。
 
 欧州に出張した際、ホテルのフロントのカウンターにApple が盛り飾られていることが多かったが、日本の林檎よりも小ぶり(野球のボールより少し大きめ)で、確かに、味は日本産にはかなり劣る。
 日本の代表的な林檎である「ふじ」のような果肉に蜜が入ったようなものはまず見かけない。

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