エッセイ:エイジング話【第45回】

ステンレススチールと異物混入

 WFIはこれまで多くをステレススチール製蒸留器により製造しました。ステンレススチールは蒸気滅菌温度に耐えることから、皮下注射され人体内に触れる注射剤の主成分となり得るWFIを最終的に製造する機材として、安全だと認識されました。
WFI:Water for injection
 


 2021年8月、新型コロナワクチンが密封されたバイアルの一部で、異物混入が国内接種会場で確認されました。その後この問題が調査され「バイヤルに混入した粒子状異物は部品の設置不具合によるものだと考えられる」と公表されました。
 2021年9月、製造委託先スペインでのヒューマンエラーが原因であると公表され、国内で自主回収されました。またその後の調査で、混入した粒子状物質は 316ステンレススチールであることが判明しました。
 なお、「混入した微量の316ステンレススチール粒子は、被接種者の安全を脅かすものではなく、製品のベネフィット・リスク評価に悪影響を与えるものでない」とする見解が国内で伝えられました。
・・・
 注射針を経由しステンレススチール粒子状物質が、シリンジ内に入ることは滅多にあり得ないこととしても、ワクチンが封入されたバイアルに目視でき得る異物が混入するなどあってはならないことです。
 参考に、国内で使われるバイヤル充填打栓巻締機とバイアル目視検査装置を示します。これらが正常に稼働するならば、起こりえない事故だったのです。
 

 

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