【第12回】Operational Excellence 実行の勘どころ 、「Lean Six Sigma DMAIC 5ステップの概要(その1)」

2022/07/08 品質システム

リーンシックスシグマ、DMAIC 5ステップの勘どころ、OPEXの本題です。

    

 Lean Six Sigmaというと「難しい、過去にやったことがあるが、そこまで必要ない」、「研修とプロジェクトに工数をかけたが、思うような結果が出なかった」など、ネガティブイメージを話される方がいます。2000年代の初めアメリカ企業が導入して、日本でもLSSを導入することになり、上手くいかなかった事例です。否定するつもりはありません。国内外で失敗例はたくさんあります。
 一方で私が知る海外企業は、失敗から学び、自分の業態に合わせてLSSの内容を修正し、LSSを上手く取り込んでいる企業も多いです。そしてその修正がとてもスピーディーなのに驚かされます。アップグレードを重ね、自分たちのやり方を確立していきます。最初から100%を目指さすのではなく、60-70%で合格とし、改良を加えながら次のステージに進むのです。
 昔の日本企業は海外事例を学び、試行錯誤しながら自分たちに合うやり方を見つけてきました。製品開発においても、そこが日本のお家芸でした。失敗から学び、修正を加えながら、よりよいものに仕上げていくのです。今の日本企業はどうでしょうか。過去の成功体験で現状を大きく変えることはしない、失敗した際の責任を取りたくないなど、新しい方法・システム導入にとても慎重です。議論してる間に世の中はどんどん先にいってしまいます。LSSに関しても、従来のやり方があるので「LSSは形だけ導入する」、「従来の現場改善活動の延長で、名前をLSSと称して実行する」など、結局は過去のやり方を踏襲することで、新しいやり方を試したがりません。
 なぜこのようなことを最初に話すのかというと、LSSはいろいろな業態、業務で使えるように多くのツールが詰まっています。全てのツール使うのではなく、自分の業態・業務に合うようモディファイ(部分的に修正)して活用する必要があります。海外企業は自分たちに合わないと、直ぐに修正し、自分たちに使い易い形に修正し活用します。日本企業も今一度、失敗を恐れず、自由な発想でLSSを活用いただければと思います。
 LSSは難しいというイメージであるなら、「DMAIC 5ステップ」と称して活用するのはどうでしょうか。目的は企業変革で、LSSはあくまでもツールです。実利を優先させたいです。
 

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執筆者について

井口 幸人

経歴

ライズマネジメント株式会社 代表取締役
オペレーショナルエクセレンス マスターブラックベルト
1986年にGE横河メディカルシステム入社、画像診断装置CT/MRIの営業技術、大学病院と共同研究、GEメディカル・アジアにてシックスシグマ・ブラックベルト(ビジネス変革のリーダー)の業務に従事。
2005年にコヴィディエンジャパン(医療機器)、OPEX(Operational Excellence)推進室長として、全社の変革プロジェクトを統括。その後、テバ製薬、ユーシービージャパンの生産部門でOPEX活動の責任者として従事。
2016年にライズマネジメント社を設立し、ビジネス変革のトレーニング、コンサルティングなどの活動を実施中。特にハンズオンでのプロジェクト実施、コーチングが得意です。   

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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