知的生産性を革新する組織構造・空間構造【第2回】

2.知的生産性の研究
知的生産性について多くの人が研究してきた。その中で最も重要且つ革新的な研究を行ったと思う研究者が、MITマネジメントスクールのトーマス・アレン教授である。
トーマス・アレンは元ボーイング社のリサーチエンジニアで、1963年から研究開発の生産性の研究に携わることになったのである。
そのきっかけは、MITのマネジメントスクールにはマーケティングや生産管理のコースがあるのに、研究開発のマネジメントコースがないのは何故かという疑問であった。
この疑問に対して当時、指導教授であったマーキス教授は、研究開発のマネジメントで分かっていることが少ないので、マネジメントスクールは無視していると答えた。
これがきっかけで、研究開発のマネジメントに関する研究が、マーキス教授を中心にMITのスローン・スクールで始まり、トーマス・アレンはマーキス教授から要請されて、ボーイング社を休職しこの研究に加わった。
研究は20年近くかけて行われた。この間にマーキス教授は故人になられ、研究はトーマス・アレンに引き継いだ。
知的生産性の研究は、具体的に同じテーマで複数の研究機関に研究開発を依頼し、同一の調査書でデータを取って分析する実験研究である。知的生産性の実験研究はこれほど長期間を必要とした。
この様な研究はトーマス・アレン教授のグループが初めて行ったのである。
このような大掛かりで長期的な研究はその後2度と行われてない。従って、この研究から得られたデータは、非常に貴重で唯一のものであるといってよい。
実際の研究の内容は連邦政府やNASA等から依頼されたいくつかの研究案件で、例えば、月面移動車の開発等を国立、大学、民間など13の研究機関に依頼し、その成果を調査しデータを集め分析した知見を、中間報告書という位置づけで1984年に出版したのが、「Managing the・Flow of Technology」という著書である。この成果の出版まで20年間を要したのである。
その後多くの研究者がこのアレン教授の研究成果を元に、このテーマの論文を発表している。アレン自身は2006年にドイツの建築家ギュンター・ヘンと共に新たに出版した著書が「The Organization And Architecture Of Innovation」である。これはアレン理論を自ら実践したデータ本である。

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